第662話
そんな彼と朝倉の因縁は、ノエルと彼女の出会いの数年前になる。
たまたま大陸のとある街へと姿を現したジャン・バルジャン。
街の人々を醜悪なモンスターへと変えていたところへ、間一髪、朝倉とその師匠であるパラケルススが駆けつけた。
パラケルススが拘束魔法を詠唱する中、改造され、もはや心までモンスターと化した街の住人たちを、魔法で、拳で圧倒し、さらには狂気の魔術師ジャン・バルジャンに土を舐めさせた朝倉。
結果、パラケルススの術により、ジャン・バルジャンは拘束された。
そうして、自死もできない絶対安静の状況で、いま彼女たちがいるシャトー・ディフへと収監されたのだ。
拘束魔法の権威である監獄長が監視するそこ。
更に、拘束魔法とブドウ糖の静脈注射により、決して死なさず、決して逃げ出させず、と徹底した管理をしてきたのだが――。
「死因はいったいなんなんだ」
「それは、実際に見てもらった方が早いかと」
尋ねた朝倉に冷や汗を拭いながら答える監獄長。
それ以上、何も言わず、朝倉は彼に背中を向けると、勝手知ったるという素振りで監獄の中へと入って行った。
「おら、いくぞノエル。社会勉強だ」
「あぁ、待ってください、師匠!!」
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