師匠と絡新婦(下)

第633話

【前回のあらすじ】


 とある色街で男性の失踪事件が多発している。そこは、かつて魔法協会に所属していた、魔法生物を研究する魔法使いが、実験生命体を逃がした街であった。

 駆除されたとして報告されたそれだったが、今回の一件を機に行った南条たちの調査から、どうもその魔法生物が生きている可能性が浮上した。


 実態を探るために、魔法協会の中で最も色街に潜入しやすい理事で、なおかつ、いざとなった時に頼りになるものということで、朝倉が潜入調査を依頼された。

 かくして、不本意ながらも男装した朝倉は、色街の裏通りを探るのだが、そこで妙な噂を耳にした。


 というのも、古くから裏通りに住み着いている夜鷹が忽然と姿を消し、その代わりに、めっぽう美人な新顔がやってきたというものである。


「さて、みなさん、師匠と魔法生物の決着はどうなるのでしょうか。そして、ノエルの出番はここだけなのでしょうか」


「――毎週、出れるだけ、マシ」


「カミュちゃん!! 一応、ノエル主人公格なので、そこは毎週でないとおかしいのですよ!?」


「――とりあえず、ぐだぐだしてても仕方ないから、後半スタート」


「にゃぁっ!! ノエルのセリフ、取らないでくださぁい!!」

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