弟子とシールとおこづかい
第585話
「師匠ぉ、お皿洗いのお手伝いしたんですから、お小遣いください」
「お前、なんだか最近、やたらとそういうのにうるさくなったな」
まぁ、お手伝いをちゃんとするならお小遣いをやる、とは、朝倉のほうから言い出したことである。それを、なんのかんのと理由をつけてしぶるようなケチな真似は朝倉もしたくはない。
両手で茶碗を作って、期待のをまなざしをこちらに向ける弟子。
そんな彼女に朝倉はエプロンの中から小銭入れを取り出すと、そこから一枚銀貨を落とした。
ひゃっほい、と喜んで台所からすっ飛んでいく弟子。
その背中を見ながら、はて、何がそんなにうれしいのか、と、朝倉は疑問に首を傾げた。
「今までこういうのなかったんだけどな。お小遣い、よっぽどほしいものでもあるんだろうか」
いや、それならば、直接自分にねだってくるだろう。
ふぅむと朝倉はいぶかしみながら、手の中の皿の水気を付近で拭き取った。
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