第565話
「ということは、その探している千年前の祭りの記述がある部屋を見つけるまで――」
「楽しい楽しいダンジョン散歩という訳だ。ちなみに、古代語で書かれているから、解読するのにも時間がかかるぞ」
「――図書館の広さってどれくらいあるんでしたっけ」
「だいたい城の五倍。しかも、地下二十階まである。この中から目的のものを見つけ出すのは、これがたいそう骨が折れるんだな」
くるりと踵を返して図書館から出ようとしたノエルの腕を、朝倉がとっさにひっつかまえた。とたん、弟子の顔が悲痛に染まる。
「いやですぅ!! そんなの、絶対一日じゃ終わらないお仕事じゃないですか!!」
「まぁまて落ち着け、これは王命だ。これやらないと、俺は宮廷魔術師としての資質を問われるんだよ」
「そんなのノエルには関係ありません!!」
「お前は俺の弟子だろうが。いいのか、あの快適な城を、工房を、追い出されても」
それは困りますけどぉ。
そう言いながらも、ノエルは朝倉の手から逃れようと必死に足を動かした。
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