第558話
城の裏で花火となれば、城に住んでいる魔女にとっては好都合。
――か、どうかはともかくとして、見晴らしのよい場所に行くべきだろう。
こう、人でごったがえした街中で、花火なんて見あげるものではない。
「どうだ、どうせもう売れる見込みもないんだし、仕事を切り上げて花火でも」
「――そうしましょうか。私も、せっかくですから、何か食べたいと思っていたところですし」
見計らったようにぐぅと鳴る南条の腹。
なにか美味しいものでも教えてくださる、と、妹弟子に尋ねる彼女に、もちろんだと朝倉は得意げにうなづいたのだった。
「師匠!! あっち、あっちにステーキの屋台がありますよ!!」
「あーん? そういうのはアレだ、普通に料理屋入った方が確実だろ」
「ですよね!! ノエルもそう思います!! けど、抗いがたい誘惑が――」
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