第555話
「で、その肝心の大切な弟子は?」
「祭りにつくやどこへやらですわ。一応、探知用の護符を持たせているので、迷子になることはないけれど。ハァ――」
そんな残念そうな顔をするくらいなら、最初から素直に一緒に周ればよい。
姉弟子の不器用ぶりを笑いながら、ふと自分の弟子はどうしたかと視線を上げる。
「――すごい、りんごが氷漬けに」
「違いますよカミュちゃん。これは氷漬けじゃなくって、砂糖でコーティングしてあるんですよ」
「このぬらぬらのてかてかが、砂糖?」
「はい、赤シロップで三倍赤い。まさしく、夏祭りの赤い彗星」
ちゃっかりと、姉弟子の弟子と合流して、リンゴ飴の屋台を眺めている。
こいつはこいつで自由だなぁ、と、朝倉は少しばかり不満げに眉をしかめた。
「三倍、甘さが?」
「いいえ、速さですね!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます