第499話
「スライムは知っての通り液状の生命体だ。その体積のほとんどは、その種族に応じた液体でできている。ただし、ブラックスライムについてはその限りではない」
「――なに言ってるか、ちょっとわかんないです」
もうちょっと師匠を敬ってる感じで発言しろよ、と、朝倉があきれた調子でノエルに視線を向けた。指をくわえて頭を傾げた不肖の弟子に、朝倉ははぁとため息を吹きかける。
「ブラックスライムはこの通り、金属を溶かして自分の体へと溶け込ませる」
「そうですね。なんていうか、スライムなのに硬いってのが、ノエル的にはちょっと不思議です」
「しかしながら、基本的にはそれを溶解する体液があってのことだ。それが溶解できる以上の金属を体内に取り込めば――」
自然、飽和してスライムは動けなくなる、と、朝倉。
その視線の先には、次々に取り込んだ廃棄物に膨れ上がったはいいものの、明らかに活動の鈍くなったブラックスライムの姿があった。
「あとは、ブラックスライム内で、金属が層のように堆積したら、しまいという訳だ」
「おぉ、なんという質量作戦」
「廃棄物の再処理にもなって一石二鳥。とりあえず、次沸いた時のために覚えておきな」
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