第482話

 かくして、朝倉とノエルのサバイバルダイエット生活は始まった。


「師匠、茶色いモコモコが出ましたよ!!」


「いよっしゃ熊だ!! 二人がかりで倒すぞノエル!! あいつはな、手の所が珍味でな、まぁなんともいえないくらい旨いんだよ!!」


「うひょーっ!! ベアーハンド!! ちょっと気合いが入ってきました!!」


 山を降りて来た熊と戦ったり。


「師匠? このきのこは食べられる奴でしょうか?」


「でかしたノエル。これは、マツターケと呼ばれる高級キノコでな、いい匂いがするだろう」


「――くんくん。ほんとです。なんかお吸い物の匂いがします」


「焼いてよし、お吸い物によし、とにかく美味いんだ」


「あっちにまだいっぱいありましたよ」


「マジか。王都で買ったらえらいするぞ――よし、取りに行くぞ、ついて来い」


 山に生えている食べられるキノコを探したり。

 その修業は、苛烈を極めたのであった。

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