第34話

 見た目に反して知性が高いのか。


 あるいは本能か。


 ドラゴンもどきがまず向かったのは、クローデットの方であった。


「おっと、お前の相手は師匠じゃない、この私だぜ!!」


 土煙を巻き上げてクローデットに突進するドラゴンもどき。


 その前に瞬間移動の魔法で移動するとノエルは杖を振りかぶる。


「気をつけてノエル。ドラゴンもどきの物理的な固さは世界一。単純な魔法殴りパイスラッシュじゃ傷一つつかないわ」


「師匠!! 私が何の修行もせずに、毎日だらだら過ごしていると思っておいでですか!!」


 うん、と、頷きそうになって、クローデットは動きを止めた。


 いつもは上段に構えているノエルの杖。


 だが、今、彼女はそれを中段に構えている。


「見てください、我が三十七の必殺技、その第十三奥義!!」


 すぅと息を吸い込むノエル。

 踏み込んだ彼女、そしてその杖先は、迫るドラゴンモドキの眉間を捉えていた。


神速三段突き突き、突き、大突き!!」


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