第31話

「ハッ!? 師匠、何か来ます!?」


「何がよ。尿意でももよおしたの?」


「違いますよぉ!! なんか地面からガンゴンガガンって、振動が!!」


 ついに殴りすぎておかしくなってしまったか。


 人類の規格外。どれだけ痛めつけても、豊富な魔力で自然回復リジェネート


 魔法使いとして以外にも色々とおかしいノエルだが、まさか、脳にダメージが蓄積していたとは。


 まぁ、元からおかしいから、今更変わらないか。


「こっちに向かってきます!! 直下!! 距離五百!! 四百!!」


「単位は?」


「秒速CMセンチメートル!!」


 すぐそこじゃないの、と、言った矢先、ノエルの体が宙を舞った。


 土中から現れたのは――。


「おぉっ、でっかいモコモコ――じゃない、ゴツゴツ!?」


「土竜――じゃない、ドラゴンもどき!?」

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