第28話
「師匠? その巨大な土竜ってのは、そんなに恐ろしいんですか?」
「土竜ってのは、手のひら大のサイズで、土中を掘って塚を作る生き物なのよ? それが大きくなったら? 想像してみなさいな?」
「うぅん? すっごく――可愛い?」
なんでよ、と、クローデットは落胆した。
流石脳みそ異次元のアホ弟子。切り返しも普通ではない。
土竜を可愛いと来たか。
世間知らずもここまで来ると感心するもんだ。
「えっ? えっ? だって、土竜って、あのちっこくもこもこしたのですよね? 私、結構好きなんですけど?」
「農家にとっちゃ天敵よ。土中の作物を食い荒らすわ、畝を壊すわ。可愛いなんて言うのは、あんたみたいな能天気くらいよ」
「えっ? えっ? えっ? もこもこ可愛くないですか? 私、大きいもこもこも、小さいもこもこも、大好きなんですけど?」
大きいもこもことは件のクマ寝巻きか。
美的感覚がどうかしている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます