第24話

「ふははっ!! 残念でしたね師匠!! まさかこの私が裏切るとは、思ってもみなかったでしょう!!」


「お前なぁ――」


「私はこのときをずっと待っていたのですよ!! この、田中・煌星王ビッグバンキング・ノエルは、既に暗黒面ダークサイドへと堕ちていたのだ!!」


 誰に向かって説明しているのか。


 やれやれ、と、まるで慣れっこのように首を振る師匠。


 そんな二人のやり取りに、顔に脂汗を滲ませたのはアズライト。


「あの、ノエル、さん? これはいったい?」


「アズライトさん、今こそ我ら反逆のとき!! 二人の力を合わせて、あの断崖絶壁偉大なる貧乳を越える時なのですよ!!」


「妙な当て字をするな、そこ」


 本気かお前ノエル、と、睨むクローデット。


 最後の慈悲をかけた師匠に、ふふん、と、ノエルは鼻をならした。


「師匠、貴方の時代はもう終わったのですよ。これからは、弟子の時代――」


 ぽへ、と、空気の抜ける音と共に、ノエルの頭が後ろにのけぞった。


 彼女の頭があった場所には、クローデットの拳。

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