第23話

「お願いしますクローデット様。天下一の魔法使いである貴方と対峙したとあれば、師匠も安心できるハズ」


「なんだかなぁ」


 安心させるにしても、もうちょっとやりようがあるだろう。


 クローデットは眉間に皺を寄せた。


 それに同調したのは、その隣に立つ察しの良い弟子アホ


「そうですよ。ぼこぼこになった貴方の顔を見ても、さらに心配されるだけで、師匠さんは安心なんてしませんよ」


「それは」


 言い淀むアズライト。

 彼も迷った末の行動だったのだろう。


 そんな彼に、そっと、ノエルは近づいて、その肩を叩く。


「どうすればいいのか、もう貴方は気がついているはずです」


「私が既に?」


「そう、答えはいつだって簡単シンプルです」


 ノエルはそう言って、クローデットの方を振り返った。


「やるからには勝つ!! 勝って師匠の息の根止めろです、アズライトさん!! 負けていい戦いなんてありませんよ!!」


「そうか!!」


「そうかじゃねえ!! なにたきつけてんの!!」

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