第13話

「馬鹿な、なぜ、なぜだ、破壊神の我が、どうしてこんな小娘に」


 ごろり転がる破壊神の首。


 それを眺めて、師匠――クローデットが溜息を吐く。


「あきらめなさい。世の中には、神のものさしにも当てはまらない存在があるのよ」

「馬鹿な!! 奴は神をも凌駕する存在なのか!?」


 凌駕するかはさておいて。


 世の中、ノリに乗っている人間と、何するか分からない馬鹿には、逆らわないのが身のためなのは間違いない。


「おぉっ!! メルちゃんを倒したということは、私は神を倒せしもの、神喰らいゴッドイーター!?」


 くぅ、格好いい、と、嬉しそうに言う厨二病の弟子。

 

 その背後にクローデットはそっと近づいた。


「大丈夫、怪我はない、ノエル?」


「師匠!! 大丈夫です、私、丈夫なだけが取り得ですから!!」


「そう」


「それより師匠、私ついに神殺しゴッドイーターですよ!! 雰囲気変わってません!? どうですか!?」


 無邪気に笑う厨二病の弟子。


 その頭を撫でて、クローデットは優しく微笑んだ。

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