第12話

「やってくれたねメルちゃん。よぉし、じゃぁ、おかえしだよ!!」


 人間のタフネスさに驚き顔を引きつらせている破壊神。

 そんな彼に迫って、ノエルは優しく微笑む。


「いくぞ!! 我が三十七の必殺技が第六奥義!! 師匠が使うことのできない必殺の魔法!!」

「くっ、そんなもの、神であるワシに効くものか――」


 スッ。


 ノエルは唐突に自分の目の前で、袈裟斬りに自分の杖を振るった。


 えっ、と、言葉に詰まって、マヌケな顔をする破壊神。


秘剣上段袈裟斬りパイスラッシュ!!」


 空気の刃が、そよ、と、破壊神の体に当たる。


「オヴゥェエエエエ!!???!?!??」


 破壊神は顔だけを残して爆発四散。憐憫無残。

 辺りを舞う砂埃に混じった。


「みたか!! おっぱいがない師匠のせいで、途絶えたこれぞ幻の魔法!!」


 もちろん、そんな訳はない。

 彼女お得意のおポンチである。


 というか、誰がそんな恥ずかしい技。胸があっても使わないわ。

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