第11話

 がらり、と、何かが崩れる音がする。


 次いで聞こえてきたのは、けほけほ、と、咳き込む声。


 まさか、と、破壊神の顔がひきつる。


 一方でクローデットの顔は皮肉たっぷりに歪んでいた。


「ふぅ、やれやれ、わ」


 瓦礫の山を掻き分けて、現れたそれ。


 顔に一つも怪我など負わず、たわわな胸を揺らしたのは、先ほど破壊神により破壊されたはずの少女。


「馬鹿な、なぜ、なぜお前が生きている!!」


「なぜかだって。単純な話さ。お前が破壊魔法を発した瞬間、私はいつものように、胸の前にバリアを展開した。そう、どんな魔法も無効化するこのバリアをな!!」


 大魔術胸部装甲十代には不相応な果実!!


 ドヤ顔でアホ弟子は破壊神に向かって言った。


 もちろんEカップは関係ない。

 単純に人智を越えた魔力量を持っているノエルの周りには、胸だけでなく、彼女を守るようにぶ厚い魔力の層ができており、それがバリアの役目を果たしているのだ。


 よって並みの魔法など彼女には利かない――。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る