第10話

 轟音。


 吹き飛ばされる城の一室。


 咄嗟にクローデットが展開したバリアのおかげで、王の命は救われた。


 だが――。


「くくっ、どうだ、思い知ったか。小娘よ。これが我が破壊神の力よ」


 立ち込める煙の中で、ほくそ笑む破壊神。


 彼は、この世のなによりも邪悪な笑みを顔に浮べる。


「いいだろう、こうして現世に呼び出されたからには、我が力を存分に使ってやろうではないか。まずは、小手調べに、この国を破壊してくれる」


「物騒なこと言わないでよ」


 破壊神の顔が、クローデットに向かう。


 今、話したのはお前か、と、言いたげなその顔。


 そうよとばかりに、クローデットは自分の魔法の杖の先を向けた。


「人間。貴様も我に破壊されたいのか破滅願望者か?」


「どうかしら。破滅的なのは、確かに多い気がしないでもないけど」


「今すぐその杖を降ろせ。今ならまだ許してやらんでもない」


「あら、私が、、って、思ってるなら、それは大きな間違いよ」

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