第2話 新居と決意

あの婚約破棄パーティーから1週間が経ち、漸くお父様に与えられた家に到着した。


「綺麗ね。」


与えられた家を見て呟く。

その家は隣国リーベ王国との行き付けの国境門のすぐ近くの森の中に有り、何時でもリーベ王国へ行けるようになった。


「まさに隠れ家、と言った所かしらね。」


家は大樹の真下にあり、木造の小さな家。

その横には小さな畑があり、その奧には小さな川が流れている。

この家は私の要望が元になっている。

地球で生きていたまだ幼い頃の私と母の家。

それを再現して貰ったのだが、正直、ここまでで近づくとは思ってもいなかった。


「おっかぁ。おらはいぜがいでもすっかりと生きるだ。そりゃ、きげんなごどもあるかもすんねぇ。けんどな、ぢぎゅうどおなずく、でぇーじなもんさできちまった。それにな、それをまもれるだけのぢがらもある。だがら、どうかみまもっててくんね。」

(母ちゃん、私は異世界でもしっかり生きるよ。そりゃ、危険な事もあるかもしれない。けどね、それを守るだけの力もある。だから、どうか、見守ってて下さい。)


木々の開けた所から見える太陽に向かって私は決意を新たにする。


これから始まるのは私の私によるフリー・ライフなんだから!

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