シーン3

 ここから、シーン1の直後にもどる。


 紗央梨は、スマートフォンを取り出してみると、時は「午前11時40分」をさしていた。発信履歴をひらいてみると、『BCAA』へ発信が「10時38分」となっている。


――あんとき、オペレーターは二時間後くらいと言ってたけ……。


 紗央梨は、美紀の方を向いた。美紀は相変わらず、シートに砕けたように寄りかかって、扇子をゆっくり仰ぎながら、遠くの地平線をみていた。彼女が仰ぐ風がかすかに紗央梨の頬を伝わってくる。その小さな心地よさを感じつつ、紗央梨は少し微笑んで、答えた。


「……あと、一時間くらいかな?」


 美紀はそのことばを聞き、紗央梨の方へ振り返り、


「あ、そう……」


 と、返事し、再び外を見つめていた。ほんの少しの間、二人に沈黙が漂ったが、美紀が仰ぐ扇子のスピードが徐々に速くなってき、そして、ついに沈黙を破られた。


「暑い!!」


 唐突に美紀は叫んだ。


「暑い、暑い!暑い!! エアコンつけよう!」


 彼女は扇子をバタバタしながら、紗央梨にせがみ始めた。


「といっても、エンジンかけられんよー」


 紗央梨は困った。


「なに言ってんの! バッテリーで動くじゃん」


 美紀の言うとおり、エンジンがかかってなくても、エアコンはバッテリーで動く。


「でも、バッテリーが上がるよー」


「エンジンが死んでいるのに、バッテリーくらい死んでもいいじゃん」


「まだ、エンジンは死んでおらんよ。タツオさんの話だと、ラジエーターが、、」


「じゃ、バッテリー殺してもいいじゃん!」


 美紀は、勢いを増しながら紗央梨へ詰め寄ってきた。


「バッテリーは、この間交換したばかりの新品で、結構高かったんよ」


 紗央梨の目が涙目になってきた。


「トランクの中で微妙にでぱっているのに何がいいの?! あれがあるから、スーツケース一つも入らなかったんだから。邪魔邪魔!」


 スーツケースが入らなかったのは、バッテリーのためだけではなく、スペアタイヤも微妙な所にあるからでもある。この世代のミアータは、クルマの重心バランスを考慮されて、バッテリーとスペアタイヤがトランク内の特殊な位置に設置されている。もともと、見た目からもわかるほどの小さいトランクスペースにもかかわらず、バッテリーとスペアタイヤのおかげで収納範囲がさらに狭くなっているのである。


「バッテリーがないと、クルマが動かんよ」


「もう、この『チャリ吉』は死んでいるんだから、ついでにバッテリーも殺しちゃおう。さぁ、エアコンつけて!」


 美紀の理屈もかなり破綻してきているが、彼女より年長である紗央梨は、それにすら反論できずじまいであった。


「そ、そがーなこと言わんでもええじゃん。オーバーヒートの時は、エアコンをつけずにおくのがいいって、言われたし」


「でも、暑いのよ! 熱中症になったらどうするの?とりあえず、冷えればいいの! この熱さから解放されれば良いの! この熱さ、何度だと思っているの?あ、」


 美紀は、思い立ったようにことばを止めた。先ほどの勢いさは、彼女から消えていた。


「あのさ、今、何度なの?」


 美紀が冷静にもどり、訊いてきた。


 実のところ、美紀も紗央梨も現在のの外気温度を知らない。紗央梨は、もう一度スマートフォンをひらいて、「天気」アプリのアイコンをタップし、現在地の気象状況を表示にしてみる。美紀が、その様子をのぞき込むように見ていた。


『Maple Creek 31度 晴れ』


 と表示された。


「三十一度だね」


 紗央梨がぼっそと答える。


「壊れているんじゃないの?」


 美紀が、その数字を怪しんだ。


「これ、この近辺の街の天気やし、たぶん正確だと思うよ」


「じゃ、ここらへんだけが急激に暑いの?」


 紗央梨は、美紀が何度を予想していたのか、不思議に感じ始めた。


「三十一度なんて、ここ数年の東京の夏の温度と比べてたら、たいしたことないじゃん。こんなに暑い分けないじゃん。絶対壊れている。きっと四〇度くらいあるよ!」


 美紀が、自分の温度感性にしたがい主張をはじめる。


――三十一度もじゅうぶん暑いが、日本の夏と比べると過ごしやしい温度だよね。この数値は、本当なんじゃろうか? と、紗央梨に疑問が浮かびはじめた。彼女は、広いハイウェイの黒々としたアスファルトの状態、乾燥し砂地をみせている舗装されていない路肩から、青々となびく大草原を見わたした。


「だけど、大草原のハイウェイ上やから、うちらだけが、こがーに感じとるだけかもよ。実際はこの数値で、たいしたことないかもよー」


 美紀は、紗央梨の意見を聞くと、そとに右手をかざしてみた。


「……そうね、日本みたいにそんなじめじめしていなし、もの凄く乾いているし、思ったより暑くないかも......」


 美紀はちょっと考えると、扇子を閉じ、胸の谷間に差し込んだ。そして、おもむろにフロントガラス上枠の右内にある幌ロックに手をかけた。


「きったかさん! そっちのロックをはずして!」


「はい!」


 紗央梨は、美紀に言われるままに左側の幌ロックに手をかけた。紗央梨は、彼女が幌をあけるつもりだってことを難なく察知し、幌のリアスクリーンがきちんと取り外されていることを確認して、


「ええよ!」


「よし、あけるよ!」


 美紀が解除ボタンを押し、フックを引っ張り上げると同時に、紗央梨も解除しフックをはずした。二人いっしょに幌をフロントウィンドウ上枠から外れるように持ち上げた。そのまま幌は、勢いよくシート後ろに折りたたんでいった。


 割と勢いよく倒れていったので、紗央梨は、幌が壊れていないか少し不安でいたが、きちんと折りたたんでいる幌をみて、ほっとした。


 美紀は、助手席のシートの上に立ち上がり、両手をフロントウィンドウの上枠をつかんだ。彼女は、ハイウェイが延々と続く風景を、窓越しではなく、クルマの上から直接生で目視し、前方から後方と三六〇度ひろがる大草原の光景を味わっていた。実際は、クルマを路肩を止めたときに外へ一度出ているので、この光景を美紀はすでに生で体感している。だが、今、彼女が感じている光景は、その時より二十センチほど高い位置からのぞんでいるのであった。その僅か二十センチの差は、新鮮な光景を与えていた。


 紗央梨は、美紀が開き直ってこの光景を楽しんでいる様を喜ぶ思う反面、彼女への不満を感じ始めていた。美紀は、サンダル履いたままシートに上がっていたのだ。


「美紀、土足でシートにのって……」


 と、紗央梨は叱ろうとしたが、見上げたのがちょうど太陽が上っている方向で、あまりのまぶしさのため、口をつぐみ、陽を遮るように右手をかざした。


 美紀は、両手を思いっきり上に延ばして、大きく左右にまわすようにおろし、深呼吸し、大草原の匂いを感じ取っていた。


「気持ちいい! やっぱり、『チャリ吉』はオープンよ!」


 美紀のことばに惹かれつつ、紗央梨は運転席にすわったまま、太陽を直視を避けるように真上の空を見上げた。青く澄み切った空が、紗央梨の頭上を突き抜けていた。今まで、幌をあけてオープンしているときは、ほとんど走行中であり、彼女は運転のため真上を見上げることはできなかった。こうやって、まじまじと空を見つめるのは、彼女にとって久々であった。普段は停車できないハイウェイで、こんなことをするのはほとんどないので、この体験が貴重な物だなと、紗央梨は感じ始めた。


「空がまっすぐなほど澄んどるね」


紗央梨が囁くように感想を漏らした。


 太陽は、その澄み切った空気を通り越し、彼女らに紫外線をじわりじわりと当てつけていた。


「ねぇ、美紀……」


 紗央梨が、美紀に呼びかけた。


「日差しがすごく強くない?痛いほど、感じるんじゃけど」


 美紀の動きが、両手を左右に延ばし、つったまま止まっていた。紗央梨は、美紀の身体でできた日陰に状態を少し移動させていた。太陽に照らされた美紀の顔には笑みを浮かべていたが、引きつっているようであった。美紀自身も、日差しが強烈すぎることには気づいているようであるが、勢いに任せて幌をあけ、体をお日様にさらしはじめた手前もあり、なかなか引き下がれないっという心情でいた。


「十代のころまでは、真夏のプールや海岸で日よけ止め無しでこんがりと焼いていたのよ! その十代って、ほんの3年前よ! まだ、これくらい、平気だよ!」


 美紀が十代のころは確かに数年前であるが、実際は彼女が高校にあがるころから日よけ止めは使っていた。もちろん、紗央梨はそんなことは知らない。


「十代と二十代は全然違うけぇ。二十代に入ったら、日焼け跡って意外と残るんだから」


 二十代歴八年目の紗央梨が静かに呟く。


「この日差しは、日本と比べもんならないほどやばいよー。カウンセラーさんら、口々に日本の数倍の紫外線量だって言ってるし」


 その『カウンセラー』さんは、バンクーバーに拠点としている現地留学案内・ワーキングホリデーサポーター業者のスタッフのことである。このときは、紗央梨らもそのカウンセラーさん達のことばを信じて、紫外線の量が日本の二、三倍以上あると思い込んでいたが、実際は日本より紫外線の量は少なめであることを後日知ることになる。ただ、夏の間は、日照時間が長いこと、湿気がなく乾燥しやすいこと、日の差し込み角度が低めであることから、肌への刺激が強く感じるどころか日本より日焼けしやすい環境であることは間違いないので、充分な日除け対策は必要なのである。


「だ、大丈夫よ。UVカットが含まれたメイクしているし、」


 美紀は強がりをみせてはいたが、紗央梨より年下でキュートな面構えをしているにもかかわらず、どんな日も毎日欠かさずメイクを行っており、それは紗央梨の普段のメイクより厚めであった。――確かに私より六歳も若いし、そのメイクだし、私よりは日焼けになりにくいかもって、紗央梨は思った。


 美紀は、サンダルを脱いで裸足になり、さらにシート後ろにある台(ガソリンタンクがある上の辺り)の所へ昇りはじめ、仁王立ちし、カナダ大草原を臨んでいた。


 紗央梨は、美紀の突然の行動に驚いてはいたが、どちらかというと行動の驚きより、その足もとが気になった。彼女のかわいい足は、幌のリア透明スクリーンを踏みつけていたのだ。この幌のリア透明スクリーンは、幌を完全に締め切った状態になると後ろ窓になる。このモデルのミアータは、そのスクリーンはガラスではなく厚めの透明ビニールできており、柔らかめであるので、踏みつけられて簡単に割れたり傷がついたりするものではない。ただ、紗央梨にとって、バッテリーと同じく、先日新品に交換した数々の高価部品の一つであった。現在、無職で貯金を食いつぶしている紗央梨には、これらにまた傷がつくようなことば、過度なストレスとなっていた。


 そんな、紗央梨の心配を気にせずに、


「わおぉぉー!!!」


 美紀は、咆吼を上げていた。無限大にひろがっているかのような地平線なので、彼女の声は、空に吸い込まれていった。


 彼女らの横を通り過ぎさっていく乗用車のドライバーより、美紀は高い視野をのぞんでいた。紗央梨は、その車に乗っていた人々は、美紀の佇む姿に見とれながら通り過ぎていることに気づいた。彼女は、彼らの自分らをどのように見ているのか、少々気になっていた。


――うちら、なんて思われているんじゃろ……。


「アイム・ア・クィーン・オブ・ザ・ワールド!!」


 美紀が興奮のままに叫び上げた。


 ちなみに、後日談ではあるが、このことばに似たようなセリフで有名なパニック・ラブロマンス大作映画を、美紀は知っており観たことがあるが、このシーンでその登場人物が何を言っていたのかは全く記憶になかったとか。


「ねぇ! きったかさん! わたしたち、世界の中心にいる感じじゃない?!」


 美紀はかなり興奮気味。


「ほうじゃね」


――それ、ロッキー山脈(マウンテンズ)の時も言ってたよ、美紀。紗央梨は、レイクルイーズからジャスパーに向かっているときに、助手席の美紀のことばを思いだしていた。


「きったかさん! 世界の中心で愛を叫ぼう!!」


 再び後日談ではあるが、ちなみに、このとき美紀は、それに似たようなタイトルの日本のドラマがあることをほとんど覚えていなかったとか。


「とおるのバカヤロー!!」


 美紀の叫びは、ハイウェイ上をそのまま通り抜けていった。『とおる』とは、どうやら、むかしの付き合った男の名前である。


――それ、愛じゃなくて、憎しみ。紗央梨は、内心でツッコミを入れた。


「よしゆきのおたんこなす!」


 美紀は向きを変えて、陽光の下で緑輝く草原の向こうへ叫び上げていった。


「ひろきのあほんだらー」


「野村部長のセクハラやろう! クビになっちまえ!」


「アルの薄情者!!」


 そばで聞いていた紗央梨は、続々と出てくる男の名前に驚いていた。


――何人のおとこがいたんじゃろ? 英語名もあったよね。もう、こっちへ来てからも?


「『さおり』のボケカス!!」


 美紀の叫びは、女性の名前となったが、もちろん『紗央梨』は聞き逃さずに、美紀の足首をつかんだ。それに気づいた美紀は、


「なあに、きったかさん?」


 と微笑み返した。


「今、『さおり』って言わんかった?」


「そうだよ、『さおり』だよ」


 美紀は否定せずに、草原にむき直し、


「『さおり』なんて、死んじまえー!!」


 と、また、叫んだ。


「うち、『さおり』だよ」


 美紀は笑いながら、「大丈夫だよ、きったかさんは、『きったかさん』。この『さおり』は、別の人だよ」


 紗央梨は、何か面白くないかんじでいたが、美紀は、


「次にいくね」


 と、叫び続きをはじめようとした。


「『サオリ』の盗人やろう!! 人の男を返せ!!」


「また、『さおり』じゃん!?」


 紗央梨は、再び美紀の足首をつかんだ。


「あ、これね、『サオリ二号』」


「あなたの人生には、『さおり』っ名前の女性が三人以上もおって、二人もひどいことしたん?」


「ひどかったのは、三人だね。ちなみに、きったかさんは、私の人生で七人目だから。」


 美紀は屈託のない笑顔で返した。


 確かに、紗央梨自身もこれまでの人生の中で、同じ名前をもつ知り合いは最低4人は存在している。彼女らとは、特に親しいわけではなかったが、そこまで罵倒するほどは仲の悪い存在ではなかった。その若さで、すでに三人の『さおり』がよほどひどい存在だったいう、美紀の巡り合わせの悪さに、紗央梨は驚き呆れたと同時に、彼女が紗央梨を執拗に『きったかさん』と呼ぶ真の理由の存在を気づかされてしまった。


 美紀が自分をからかっている節があることにも気づいてはいた。これだけ、罵倒したい人物がいる美紀の人生がどんなのだったか、いつか聞いてみようって思い始めていた。


 美紀は、つぎつぎと嫌いな人間の名前を叫び、罵倒をつづけ、紗央梨は運転席で聞き入っていた。ただ、幸いなのは、その名前の中に、紗央梨が知っている人間がいなかったことだった。


 しばらくすると、美紀は、乾燥した気候で大声を上げすぎてつかれたのか、それともネタ切れなのかは不明だが、叫ぶのをやめた。


「きったかさん、水ぅ」


 美紀は、紗央梨に求めた。


 紗央梨は、助手席シート後ろから、水が入ったペットボトルを取り出した。半分くらい残っていたので、それを美紀に渡した。美紀は、蓋を開けるともに、のどを鳴らしながら、ラッパ飲みし、大きく息を吐いて、水ののど越しを味わっていた。


 のどが潤ったのを確認すると、美紀は、紗央梨の右肩をつかみ、


「きったかさん、きったかさんも叫ぼうよ」


 と勧める。


「え?、うちは、いいってー」と、紗央梨は軽く抵抗をみせた。


――うち、そんな恥ずかしい事、できんわ。


「誰も、みていないし、聞いていないって。ほら」


 美紀は、右に扇子をひらき、大きく振りかざして、紗央梨に周りを見るように促した。ピックアップトラック、乗用車が、彼女らのそばを通り過ぎて走り去った。紗央梨の目には、その乗員らこっちを見ていたいのを気づいていた。


――思いっきりみられとるって……。


 紗央梨は、美紀に促されるままに、運転席に立ち上がり、ハイウェイの向こうを見つめた。


「さぁ、きったかさんも、世界の中心で愛を叫ぼう!」


――美紀は、愛なんて叫んでないじゃん。


 紗央梨は美紀を見上げると、美紀の期待にみちた瞳と小悪魔的な笑顔が、輝いていた。彼女は観念したらしく、大きく深呼吸をし息を止め、ハイウェイの先ではなく、東南方向の大草原を見つめた。


「『やっくん』の、ボケカスー!!」


 紗央梨の絶叫は草原を通り抜け吸い込まれていった。


 しばらく、二人はことばを発さなかったが、美紀の笑顔がにやにやといやらしいさを醸しはじめた。


「『やっくん』っていうんだ、きったかさんの元彼〜。去年、きったかさんがお冷やをぶちまけたのは、『やっくん』かぁ〜」


 紗央梨は、少し頬赤めさせ、照れながら、首を縦に振った。大の大人が誰もいないハイウェイで大声で元彼へ罵倒してしまった自分自身に行動に、大きな恥ずかしさが紗央梨に襲った。


「美紀だって、前の男の名前を叫んどったじゃん」


「きったかさんは、元彼を呼び捨てじゃなく、『やっくん』って叫んだよー」


 美紀の気づきは、さらに、紗央梨に羞恥心を襲った。


――なんで、まだあだ名で呼んでいるんだろう、うち。


 どんどん、照れていく紗央梨。美紀は、面白い物をみたという満足に浸った感じに、にやついていた。


「あれ?」


 紗央梨は、ふと気づいた。「こっちって、東やん。」


「そうなの?」


 美紀は、どうもあまり考えずに叫んでいたようだ。


「あ、でも、地球ってまるいじゃん。これだけ、やってきたんだから、こっち方が日本に近くなったんだよ。」


 と美紀は、屁理屈にちかいことを述べた。


「そんなわけないよ、まだこっちんのが日本に近いよ。」


 紗央梨は、西側の方へ振り向き指差そうとした、その直後だった。


 突然、後方で心臓にくらいつくような甲高いサイレンが、短く三回鳴った。


 美紀もその音で後ろを振り返る。白いセダンが一台、緑のミアータの十メートルほど後方の路肩に停車し、ルーフ上とヘッドライト内部で、青や赤などがまざった警告灯が激しく点滅させていた。車両側面には、赤黄色青の長いラインが前フェンダーから後ろドア側面まで施されており、運転席助手席のドアには紋章、後方フェンダーには青い騎馬のシルエットマークが描かれていた。


 いくらカナダ生活四ヶ月目の彼女らでも、その車が『警察(ポリス)』であることを、一目で把握した。

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