第2話
浩は目を覚ました。なぜか深い眠りについたような感覚になっていた。
「なんだろう?なにがあったんだ?確かゲーム機の電源を入れたら急に光が…」
浩は目を疑った。浩が横になっている場所は、白いシーツの上では無かった。それだけではない。辺り一面城下町にでも来たような風景だ。先ほどまで、家のベットのシーツの上にいたはずなのに。浩は状況を飲み込むことができなかった。
「貴様、何者だ。見ない顔だな、どこの組みのもんじゃ?」
首元に冷たい金属のようなものを当てられ、少しなまった言葉遣いで話しかけられた。いや、これは話しかけられたというより、拘束された。と浩は悟った。
「なにを黙っておる!早く名を名乗れ!さもなければ問答無用で貴様の首、頂戴いたす。」
男の脅迫に、ビビってしまい、
「私は、山田浩ともうするものでございます。」
と少し男の話し方に似通った話し方をしてしまった。
「山田浩。聞かぬ名だ。」
男はそう言うと、ひろしの首元に当てていた金属のようなものを片付け、浩の正面に立つと同時に、首元を叩き、浩を気絶させた。
「…すか?…ですか?大丈夫ですか?」
透き通ったとても綺麗な女性の声が浩の耳に届いた。
「よかった。気がついたみたいで。」
「ここは?」
「ここは、剣想組の本拠地でございます。あなた様は、ここの副長である、吉田浜部殿に捕まったのでございます。」
「あの時の…。そういえば何故貴方はここに居るのですか?」
「私は、人質としてここにとらわれているのです。私の父は幕府の役人で、ある日、倒幕派の剣想組がわたしの家に押し入って、母と兄を殺され、私は人質としてここへ連れてこられたのです」
話の途中に涙を見せながら、経緯を話してくれた。
「申し遅れました。私は山本雪子です。よろしくお願いします。山田浩さん。」
「なぜ僕の名を?」
「それは秘密です。わからないことがあったらなんでも聞いてください。ここは人質とはいえ、割と自由の聞くいい場所なのです。」
人質としてとらわれている身であり、母と兄を殺されているにもかかわらず、なぜかその女性は、ここにいることに満足感を感じているように見られて、少し不思議な気持ちになった。
歴史改革 @higanbana
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