DIE6話 お別れ界(カイ)

「…という話だけど、他には何か質問ある?」

 あまりにも、乱万らんばんじょうな人生談をせき裸々ららに語られて、返す言葉もなかった。

 ただ…。

「それじゃあ、俺は地獄に帰るよ」

「ごめんなさい‥」

 私は、とっに謝るしかなかった。

「別に謝らなくてもいいよ。これが、事実なのだから…。あっ、そうだ。これも何かのえんだろう」

 そう言われると、真っ黒い名刺をカミシノ少年から手渡された。

「これは?」

「別にナンパって訳じゃないけど、何か相談事があれば、いつでも相談に乗るよ。」

「百鬼探偵カミシノ事務所?」

 その真っ黒い名刺の表側には、白い修正液で書いたような事務所名と2つの電話番号(TEL)が白文字で書かれていた。

「そうそう。言い忘れていたけど、上の携帯番号は“エンHELLヘルPHONEホン DIEALダイアル”で、下にある電話番号は“死神しにがみ伝言でんごんDIEALダイアル”だから、間違い電話には気をつけてね。」

「もし相談があるとすれば、どっちに掛ければいいの?」

「下にある"ガキつた"に掛けるといいよ。それなら、俺が出るから。」

「それじゃあ、上の携帯番号は?」

「それは、地獄業務連絡用だよ。」

 カミシノ少年はそう答えると、後ろの私に手を振りながら、暗闇の浜寺公園へと消えて行った…。

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