お酒とパインと冷たい水と

よく考えたら、まだ冷凍保存からそんなに経ってない。

1週間くらいだろう…。


「市長また来たぞ」

「どうぞ」


この世界では豪華だよなぁ。


「なんだなんだ? 全知全能ではないが、ある程度答えよう」

「これ…ってどこかわかるか?」

「ヘドウェイ…?」

「そうだ」


悩んでるなぁ答え欲しいなぁ…。


「知ってるぞ…」

「へァッ!?」


何処なんだ…?


「向こう側の村で…」


と言って北かもわからないが指を指して説明してくる。


「通称謎の街…だったかな」

「マジかよぉ…」


最初来た街だ。


「あと、パインサラダが美味しいって有名だね」

「もう道分かるわ」


早くも場所判明…。


「またねー」

「おう」


足早と退出した。

今すぐ向かいたいところだが、リラはまだ着いてないかもしれない。

それにパーティは楽しむのが得策だろう。


昼間なのに夜な感覚を覚えながら会場に戻る。

変な感覚だな…。


「カラス…」

「まだ残ってるぞ

…パインが」


「は?」


まだ大量に残っているパイン。

ぐったりしている客とゴブリン。


「最初食った時点で足りてるんだよな」

「カラスも食べるのだ…!」

「わかったから、この飲み物飲みながら食うわ」


良い感じの紫のボトルを握ってはにかむ。


「おま…それは…ワ」

「なんだ?」

「特にないわ」


なんだよ…なんか言ってた気がするけどいいや。


ボトルを開けて、パインと一緒に飲んでいく。


「おいしー」

「良かったな…」


視界が歪んできた…ホカホカしてきた…


「いいぞぉ…」

「おっおい…飲みすぎじゃないか?」

「ふふふっ…ふぁーはっはっは!!」

「お酒って怖い」


パインそっちのけでボトルを飲んでいく。


「おい、パイン食えって」

「あなたもどうぞ…?」

「俺は食いたくないぞ…」


「空になったわ、もっとくれよぉぉ!」

「ダメダメ、割とアルコール強いからダメー」

「ぢゃあいいや…おやふみ…」

「あっちょ…カラス…だからワインは勧めれないんだ」


高揚した気分と共に眠る事にした。





「……お…起きろ! いつまで寝てんだ!」

「頭痛いわ…夜なんかしたっけ」


クラナドに起こされたのは良いが、すっかりいつものおっさんの店だ。


「ばか、夜なんて無い」

「夢見てたんかな…」

「いや普通にワインガツガツ飲んで呑まれただけだ」

「だから頭痛いのか」


この頭痛は酷いぞ…。


「自業自得だ」

「とりあえず、おっさん水くれ」

「ほらよ、気持ち良く寝てたからなぁ、水も冷やしておいた」


出されたのはコップ越しでもわかるくらい冷たい水だった。


「……あら、おいし」

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