レッツパーリィ!

夜…じゃなかった、えーと、午後9時をお知らせします。


っていう事は、アレだ、昼間だけどパイン…。


「おっさん…?」

「いやぁ辛かった…参加出来なさそうだから楽しんでくれるのが願いだ」

「楽しんでくるぜ」


猫背になっているおっさんを後に会場もとい、おっさんの店に向かった。


「「遅いぞカラス…!」」


「なんだよ、なんでそんなに仲いいんだよ」

「知らぬ」


流石にそんなに仲いいと羨ましくなるぜ。


「とりあえず、パイン食え」

「分かってるって!」


がむしゃらにナイフを持ってパインを食い漁る。


「旨いなぁ…」

「だろ?」

「これを大量に食べる人は理解出来ないけど」

「おっおう」


そんな会話をしているとあたしはふと気づいた。


ーーリラが居ない。


普通に考えたら寝ているのが正しい解釈だ。

でも、パインサラダ作りを手伝っているのに出ないなんて意味がわからない。


更に言うなら、観光なら興味あるだろう…。


「ごめ、グラディとクラナド、あたしの分はゴブリンに分けてやれ」

「どうしたんだ?」

「ちょっとな…」


足早に会場を出た。


何故出たのか、それは…リラを探すためだ。


パーティに引きずり込みたいーそんな感覚。


「あっリ…」


ちょうどリラが門を出た所を目撃した。

声をかけようとしたが、何故かやめてしまった。


「……なんだこれ…」


リラの足跡を見てみると、紙が落ちていた。

拾ってみると、


「ヘドウェイ…? なんだ…?」


どう見てもヘドウェイと書かれていた。

いや女の癖にくっそ汚い字だからよくわからん。


とりあえず、リラは出ていった、不自然に。


そして、謎の紙。


「お前騙されてるぜ」

「幻聴なら聞き飽きた、帰れ」

「幻聴じゃない、呪いだ」


「本当かよ」

「呪いだとも、まぁいい、一つだけ伝えておく」


「ーーリラは凶悪だ。 それじゃあな、呪いからの伝言は終わりだ」


意味わからん…! まぁ収穫はあったはずだし、戻るかな。


「おらぁ! ゴブリン共ぉ! お残し禁止だぁ…」

「ケェ…」


ゴブリン…残飯処理頑張れ!


「まだこんなにもパインが…」

「もう食えません…市長…ゲフッ」


なんかパインに悩んでる人たちみたい。


「パインだ…! パインが来たぁぁぁ!」

「やめてくれ! 見たくないんだ!」


パイン恐怖症かな?


「クラナド責任とって全部食えよ」

「分かってる、ちょっと魂を戻しに手洗いに行っただけだ」


遠回しにトイレで吐いたって言ってるぅぅぅ…


「全然食べる気しないから任せた」

「えっ! ちょっとカラス! 逃げるなぁ!」


可哀想だが…置いていく。 とりあえず市長に会いに行くことにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る