レッツパーリィ
軽トラ1台分のパイン
「そうか…じゃあちょっと寝てくる」
「寝てろ、俺はその間パインを取ってくる」
眠いから寝ないとな!
…が、寝る前に食べないと行けないのだ。
「いつものお願いしまーす」
「トンカツラーメンかな?」
「いや普通にトンカツ定食!」
「すまんな」
「そういやおっさん、クラナドが大量のパイン取ってくるから、パインサラダとかパインサラダとかパイン料理頼む」
「それ8割パインサラダですぞ!? もうパインサラダ作りたくない…」
「半泣きで言われても困る。凄い真顔でパイン集め行ったぞ」
「ほら、トンカツ定食だ…あー怖い」
「おっありがとう! まぁそういう事だ」
しかし、あたしも食べたいからなぁ。
「パインどれくらいだろうか…」
おっさんは冷や汗を滲ませながら、聞いてくるので、ゲス顔で答えてやった。
「軽トラ1台分じゃね?」
「そりゃ面白い冗談だなぁ!」
笑い声で不安を掻き消した。
「まぁ食べ終わったから、次に備えて寝るわ」
「おう! また食べに来てくれよ」
「もちろんだ」
店を出た後、ちょっと曇り気味な空を見つめながら、部屋に向かった。
「ここが、家…になるのかぁ」
初めてここで寝るのだ。
部屋を用意してくれただけでも感謝。
「1人だけど、おやすみ」
普通に眠った。
「お前を……す…」
「お前を…お前を…!」
「なんなんだ…?」
「呪ってやる…」
「そんなきもい丑刻見たことないぜ」
なんだよ…変な夢だ。
「おい…カラ…おい! 起きろ!」
「なんだよ!」
ガバッと起きる。
「なんだよクラナドかよ」
「ほら、パイン取ってきたから手伝え」
「おっおう…ってなんで昼間なんだ」
「知らないのかよ…」
「どういうことだ」
「やれやれ…核が落ちて以降、月が太陽になってしまったんだ。 お陰で夜が無くなった」
「そんなぁ…」
唖然とするしかなかった。
「とりあえず、パイン運ぶの手伝えよ」
「わかったから!」
まったく、少ない量なら1人でやれ…え?
「なんだこれぇぇ!」
「パインだ、グラディとゴブリンにも手伝ってもらった」
「だからあんなにゴブリンヘタってるのね、なるほど…じゃないぞ」
あぁ、おっさん泣くだろうなぁ。滝のように汗と涙出しながらグレるだろうね。
「正に軽トラ1台分か」
「パインサラダ美味かったから同じ所で作ってもらいたいから詰め込むぞ!」
「あっ」
察してしまった。
「そうだな…運ぶぞぉ!!」
パインをブンブンおっさんの店にぶん投げる。
パインは運がいい事に凄く硬い。
核が落ちる前に存在していたパインが放射線によって変異して、硬い皮を手に入れたようだ。
「カラスもやる気みたいだな! おいゴブリン! 最後の仕事だ! 店に投げまくれ!」
「ケケッ!」
おい、これなんてコメディですか。
ゴブリンと人間が店に、石のようにパインをぶん投げる図。
「ちょ…めんどくさいからってやめてぇぇ!!」
あっおっさん来た。
「もっとだぁ!」
「ケケケ!」
「あれ!? 村の人まで投げてくる! ここは鬼しか居ないや!」
おっさん…ドンマイ。何処の悪党だよ。
「もうやめてあげて! おっさんの精神はパインの中身より柔らかくなってるから!」
助け舟だ!
「もう投げ終えたしいいか」
「投げるの速くね」
良かったな! おっさん。
「運んでくれてありがとー お陰で凄く美味しいパインサラダ作れるわー 感謝しきれないぜー」
なんて棒読みなんだ! 言葉から凄い悲しみが伝わってくる!
「もう、凄い勢いで投げてたそこの住人! おっさんと一緒にビーフストロガノフを作る刑に処す」
「そんなぁ!」
よし、2人なだけマシだろ。
「ほら、みんな仕事に戻りな、夜は無いけど、しばらくしたら、パーリィだ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます