村の長とゴブリンのレッテル
「なんて言ってるんだ…?」
「なんだか知らないけど、人間に従くのはいやみたい、オレはイイらしいが…」
「ゴブリン語なんてわかるわけないだろ、もうグラディで決まりだ!」
ケケ…しか言ってないのにわかるかぁ!
「ちょまっ…」
「良かったな!部下が出来て…さぁ!村で鍛えて立派な兵士にしちゃおう」
「…いやだから…」
「新入祝いは何がいいかなぁ…」
「まてやぁぁ!!」
「なんだよ…」
押し切るのは無理かぁ…。
「ゴブリンの数多いわ、それにあの村が許してくれるとでも…?」
「ゴブリンの実力見せたらいいんだ」
「そうか…いや違くね!?」
「とりあえず、引き連れて門番に」
「おい、新たな家に行くゴブよ」
「「ケー!」」
これはなんとなくわかった。
クラナドも居るしなんとかなりそ。
「後ろにいるのは何ですか!?」
「門番、前も言ったが…友達だ」
「友達大杉ワロス」
「おいなんか言ったか、殺すぞ?殺すぞ?」
「ひぃぃ…殺すぞ?とか何回も言わないでぇ…」
「…」
門番はとりあえず脅迫で通るけど、中はどうなんだ…?
「なんだね…その…ゴブリンは?」
「友達だ…」
「ゴブリンなんて認めていない、早く追い出せ」
「村を護るのに?」
「それでもだ」
「何故、共生しようとしない…!」
理解出来ない。
「ゴブリンっていうのはケダモノで不愉快で不幸をもたらす、そんな奴にこの村を守れるとは思わない」
「ケケ…!」
「ゴブリンやめとけ、確かにそんな可能性は否定出来ない、けど…」
「けど?なんだ?」
「友達にレッテルを貼るのはやめろ」
「ほお…じゃあ出ていけ」
「わかった、ゴブリン、お前らの力を見せてやれ」
「ケケケ…」
一斉に村を壊すゴブリン。何事かとあたしを見つめるクラナド。もちろん、真顔で通した。
「やめてくれ…! 忠実なのはわかった!」
「だろ…? 指示次第ではお前を殺す事も…」
「ぐぬぬ…脅迫まがいだが、仕方ないな」
よっしゃ…
「いや壊すのやめて!!」
「そだった、やめてあげて」
「ケ!」
ところで、通らなかったらあたしはどうしていたんだろ。
「崩壊していた」
久々な幻聴さんだなおい。
「寝床とかは飼い主が頼むぞ…」
「わかってるって」
ブツブツ文句言いながら、事務所…?に戻っていった。
グラディをスルーした意味がわからないけど。
「疲れたわ、明日パーティしたいわ」
「「なんの?」」
おい、仲良さげに言うなよ、クラナドとグラディめ。
「…パインサラダパーティ」
「ちょっとパイン取ってくる」
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