ゴブリンとダメな指揮官

「ふぅ…生き返ったぜ」

「そんな馬鹿な…!」


傍から見れば、闇の波動を起こして突如蘇ったみたいに見えただろうな。


闇の加護ダークトランス!」

「魔力が…倍増しているゴブか…?」


ランニングマンのポーズをすると、大量の魔力が蓄積されていく。

これ、凄いけど…凄いけど…


「ポーズダセェェェ!!」

「なんてボーズゴブね…エアザイルみたいゴブ!」


…うまくねーよゴブリンめ!

一通り脳内『R.Y.U.S.E.I.』を終わらせた。

長かったぞぉ!


「ペルセポネ! 剣を借りるぞ!『悪魔の時間制御サタンタイムリーヴァ』!」

「なんだ…?遥か彼方から魔力を感じる…ゴブ?」


手を天に届くと言わんばかりに掲げると、魔力を感じた。

これが引きだと見逃さなかったあたしは…剣もないのに握り締めて振り下ろした。


「凄いゴブ…これが…魔剣ゴブぅ…」


ーー見てみると、真っ黒な雷を帯びている剣を握っていた。

振れば、雷の剣筋が走る。かっこいいな。


「もう負けないぜ…」

「セイレーンよ!こいつに死を与えてやれ!」


セイレーンは手を上に掲げて、巨大な氷の玉をぶん投げてきた。


「これを…避けたら、村が終わる! そうはさせない!」


もちろん、そんな事にしたくなかった。


「どうするゴブね?自身か村か」

「全てを斬り散らせ!『高速斬撃タイムリース!』」

「消えたゴブぅ!?」


もはや人には見えない速度で滑空しながら斬り裂く。


「なんて速度ゴブ…」


何百も斬りまくるが…まぁこんなところでいいだろ…。


「止めだ!」


強烈な一撃で締めた直後、稲妻の様な閃光が走り大爆発を起こす。


「マジかよ…」

「おい、語尾忘れてるぞ」


これが1分程度の攻撃だなんて言えない。


「もうセイレーンは帰還したみたいだな…」

「ゴッゴブ…」

「ゴブリンの大群なんて、速攻で終わりだ!」

「お前ら、最後の命令だ!華々しく散れ!」

「ケケケっケー!」


ゴブリンの大群に1人で突っ込むあたしは…。

ーー狂ってるな。


「ゴブギャァァァ」

「ケケェ…」

「ガンガンいこうぜ」


1振りでゴブリンを消し去って行く。


「お前ら、逃げるんじゃねぇゴブ!」

「ケケ…」

「なにぃ?死にたくないだと?クソ雑魚の分際で…」

「やめろ!」


なんて雑魚な指揮官なんだ。部下に手を出すなんて。


「うっ腕時計がぁぁ…」

「次は命が切れるぞ」

「お前ら、こいつを殺…」

「お前は指揮官にふさわしくない、消えろ」


「そんな馬鹿な!何故敵を気遣うのだぁぁ!!?」

「黙れ!『ハンドバースト』!」


ゴブリンの顔を掴み一撃で消し炭に変える。


「さぁどうする?ゴブリンよ…仲間になるか…このまま主の居ないまま…奔走するか」

「ケケ…」


「ごめ、なんて言ってるかわからないからグラディ連れてくる」

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