火薬ショー

「あー疲れた…」

「だよな、少し休まないと」


1時間は神経を集中させて、切り合いして…弱火のハンドバースト手の力したり…。


「でも、いい感じに素早く動けるようになった」


あたし自身でも実感出来るほどだ。


「そうだと、いいな」


まったく、そっけないな。


「お前ら!ゴブリンが来たぞぉぉ!! 構えるんだ!」


嘘だろ…?このタイミングで?


「ここは頼むぞ…前線を消してくる」

「大丈夫…なのか?」

「なーに、命を削っても消しカスなんて出さねーよ」

「…そうだな」


クラナドを見ずに歩きながら、ピースサインを見せる。

さぁ、派手なショーの始まりだ。


門の外に出て敵を待つことにした。


ゴブリンとはいえ、数になれば相当…。

グラディみたいな優秀な指揮者が居たら、正直勝てない。


何気なく、双眼鏡であたりを見渡す。

ようやく見えてきた。

300m先に居るって感じ?


「『トラップボール』!」


手から、デカイエネルギー収束体を作成する。

行け!と言わんばかりにボールをぶん投げ、いい感じの所にとどまった。


これを繰り返すこと8回。

もう体が持ちません…。

周囲には不気味に球体が浮かんでる。


「間に合ってよかった!『爆炎の加護ファイアエレメントシフト』!」


体から、炎が溢れる。


「炎が溢れていく…この剣に全霊を込める…!!」


体から、ホワホワと出ていた紅いオーラは剣に移っていく。それはまるで、魔剣。


「ケケ、ケケケ…ケーケッケッケ!」


何も守備がいないように見えているゴブリンは高笑いをする。それは死亡フラグになるんだぜ…?


加護シフトをすると、身体能力が大幅に補正される。

ジャンプで数m飛べるくらい。

それを知っていたあたしは跳躍する。


「全ての準備は整った!これが最終奥義ーー

炎獄の檻ハッキングデビル』!」


発動させる為に神速エアロビート神のグミ撃ちで焔の刃をトラップボール1つずつに音速で当てていく。

…当たったのはほぼ同時と言っても過言じゃない。


途端に大爆発を巻き起こし、辺り一帯を火の海にした。

衝撃波であたしは吹き飛ばされる。

あぁ、これはどう考えても全滅だろうが…!

全ての力をかけたんだ、倒しきれてないなんて…ないだろ。


「ーー凄い火薬ショーだったゴブね」

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