村の防衛

剣と希望の光

嘘だろ…


「幻か…?」

「違うし…それにここ出た時声掛けたのに無視しやがって…」

「おま…あの時から居たのか…?」


「もちろん」


そんなぁ…。


「でも、死んでたんじゃ…」

「何を言ってるんだ、死ぬ訳がない。気絶していただけだ」

「…」

「まさか、あの時言った言葉を忘れたとでも言うのか…?」

「忘れた」

「まったく…」


でも、あの幻聴はなんだと言うんだよ…!


「ほら、トンカツ定食だ食え」

「店長…」


仕方ないので、出来立てのトンカツを頬張る。


「カラス、あのゴブリンはなんだ?」

「友達だぜ」

「魔物を仲間にするなんて、流石だな」

「1人は辛かったんだからなー」


地味に少なめな定食を食べ終える


「食べ終わったし、そろそろ武器屋のおっさんに向かわないと…」

「かなりの早食いだな…」


「グラディ、ちょっと食べててくれ」

「もちろんだ」


足早く武器屋に向かう。

こんな小さい村だぞ…どんな依頼なんだろ…。


「おっさん…?」


血相を変えて話しかけてくる。


「カラス!待っていたぞ…」

「ど、どうしたんだよ!」

「依頼の件だよ…」


「それはわかる」

「この村を…護ってくれ!」

「…」

「どうやら、ゴブリンの部隊がこちらに向かっているらしい…」

「…」

「ゴブリンの組織が消えた腹いせとかでかなりの兵力を注いだみたいだ」

「なんだと…」


「頼む…村を…」

「護るぜ」

「この恩忘れぬ…」


出る杭は打たれるってね。


「それはいいがカラス…」

「クラナド居たのか」

「ほぼ2人で倒せるのかよ」


確かにゴブリンには家族が居るから本格的には戦闘に加わる事は出来ないな。ならば…


「この村の門の前でハンドバースト手の力使えばなんとかなるでしょ」

「それ、本当に強いのか?」

「…強いな」

「今ここで使えるか?」


「あぁ、空に撃ちこんでやるよ」


力を貯める体制を取る。


「力を…ぉぉぉぉ!!」

「高い気だ…」

「すべてを壊せ!『ハンドバースト手の力』!」


コォォという音を立てて空に向けた手が大爆発を起こす。

衝撃波で少なからず住民が飛ばされそうになっていた。


「これは…精霊の加護エレメンタルシフト!?」

「らしい、加護シフトも使える」

「早速オレを超える奴か…嫌いじゃないな」

「まだ使える技はあるが、ここで披露できるのはこれだけだ…」

「残りは実践で見るかな…」


他ってグミ撃ちくらいしか…いや何でもない。


「さぁ、ゴブリンの為に素振りしておこうぜ…クラナド」

「もちろんだ…」


剣と剣が混じり合う時、とてつもない光を放ちながら、見る者を圧巻していた。

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