グラディの道案内

「やっぱり、偽物の地図だとダメだ」

「そりゃあそうだろうな」


しっかし、遠いな。


「まだ…なのか?」

「もっとだ」


ーー30分後ー


「まだ…?」

「もう少し」


ーー20分後ー


「着いたぞ」

「遠いな」


どうやって壊滅させるか…。


「こっそり、妻をここに連れてきたらどうだ?」

「そうするよ」


作戦としては、村の中心で精霊の暴走エレメントブレイカー使う予定。


「連れてきたぞ」

「それじゃあ、行ってくる」


グラディに1本剣を渡すと柵を抜けて高い所に向かう。


「この辺りか…!」


飛び降りて、最大限に力を込めて剣を叩きつける。


「なんだ!?この揺れと音は!?」

「侵入者がいる!探せ!」


サイレンとゴブリンの声が聞こえるよ…。


「お前だな!ここだぞー!」

「そうだ、もっと来い!」

「オレ達、ゴブリンの恐ろしさ、見せてやる!」


ゾロゾロと兵士が集まってくる。


「気が高まる…溢れるぅぅ…!!」

「なんだ!?こいつ…オーラを使えるだとぉぉ!!」

「やめた、作戦変更だ、 くらえ!

ハンドバースト手の力』!」


地面に手を当てて、唱える。

すると、地面が崩れ落ちた。


「うわぁぁ!!」

「地面が消えただどぉぉ!?」


危ねぇ…もう少しで奈落の底だった。


「相変わらず、チートだなおい…」

「まぁね、なんだか知らないけど、精霊の加護エレメンタルシフトがあるらしい」

「分けて欲しいところだわ」


「そんな事より、1度村に帰らないと…」

「村はこっちだ」

「村まで分かるとか、凄いな」

「これでも、ガイドだからな?」


ガイド…ね。


「ガイド…いい仕事だ」

「だろ?最高にイカすぜ」


「そういや、ゴブリンが多勢で村を攻めるらしいぞ?」

「まじかよ…襲われる村は大変だな…」

「おまけに、今滅ぼした組織とは別の組織が手を組んで…だとよ」


かなりヤバイ戦いがどこかで始まるみたいだな…。


「どこで始まるんだ…?」

「それが、村としか言ってなかった」

「そうか…」

「悔しそうな顔をするな、そのうち仕返しが出来る」


大変だな…。


「お前にはオレがいるだろ?」


また幻聴かよ。幻は…消えろ…!


「ほら、この村だろ?着いたぜ」

「おう、ありがとう…」


門番に問われる。


「おいまて、このゴブリンは…」

「あたしの…友達だぞ?」

「これは失敬した、見た目で判断するものではないな」


門番が通してくれた。危ないな。


「どうなってるんだ…?この村では英雄ヒーローなのか?」

「わからん、でも約束でここにもう1度来ることになっててな」

「まったく、人思いだな…イカすぜ」

「ありがとよ」


しかし…武器1本奈落の底に落ちたし…。


「武器屋のおっさん!来たぞー、武器1本なくしたから追加で、銀処理頼む」

「わかった、飯屋である人がお待ちしてるぜ、カラスさんよ」

「楽しみだな」


グラディとグラディの妻と息子を連れて飯屋に向かう。


「トンカツ定食とパインサラダ頼む」

「あいよ」


あー、疲れーー


「パインサラダ足りないぞ、あと8皿くらい頼むわ」

「どんだけ食うんだ…」


「お前かよぉぉぉ!!」

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