地上の世界
「これは…!」
「何を驚いてる?これが今だ」
「緑が生い茂っていた、あの時じゃないんだ…」
「…緑なんて、ほぼ存在しないかもしれない」
車も爆発していて、撤去されてないし、家はほとんど崩壊してるし、あたしの家なんて…ほぼ…。
「やだ、涙止まらない」
「涙拭いとけよ」
わかってる。それくらいは。
「街に向かうぞ、この魔法陣に入れ」
「なにこれ…!?」
「知らないのか、魔法陣という奴で色々効果があるが、これは一種のワープだ」
「ある程度把握した」
魔法陣に入る。どうなるんかな?
「街に導け…」
途端に魔法陣があたし達を光に包んだ。
ーー謎の街ー
「やっぱり、速いな、着いたぞ」
「ここが街かー」
ファンタジーゲームの街みたいに見えた。
「あと、これを渡しておく」
「なにこれ?」
「この時代の通貨って感じだ」
「おぉー」
「ここからは、1人で行け、オレは…」
「?」
「ちと、この街で旨いパインサラダを食べてくる」
「分かった」
まずは武器が欲しい。
「すみません、大剣2本とアーマー一式ください」
「おう」
早くも半分しか残らないお金。
「ポーションも」
「身を守れるといいね」
まぁこれくらいで、絶望を見ないとな。
「そういや知っているか?」
「どうしたんだ?兄弟」
「あの例のシェルターの話よ」
「あー、あれね」
男の話が耳に入ってくる。
「人体が保存されていたのは知ってるよな?」
「もちろんだぜ?」
「保存した張本人はその人体を…食らって数百年生きるらしいぜ」
「それがマジなら、怖ぇ話だな」
それはありえないだろ。
「それはともかく、最近、モンスターが荒れているよな…」
「あぁ、凶暴過ぎる」
「またな、兄弟」
「おうよ」
あのモンスターも元は大人しかったのかな…?
「もう一皿パインサラダ頼む」
「食べすぎるなよ?」
お前も食ってたんかぁぁ!!
「なん皿食べてんの…」
「5」
「即答かよ」
地味に大食いか…。
「先出とくわ…」
「わかった、あっもう一皿パインサラダ」
「これがラストのパインサラダだぞ」
どんだけベジタリアンなんだ…。
店を後にして、真っ先に展望台に向かう…絶望とやらを見たくて。
ここが展望台か…数人男が座って眺めている。
「これが…絶望…」
「さらなる絶望を味わえ」
「!?」
男数人に腕を掴まれる。
「俺たちの女になるんだよぉ…?」
「いやだね」
男1人1人に豪快にフックを打ち込む。
「ぐぁ…痛いなぁ…?」
「この程度でくたばっていたら見逃してやるところだったのにな」
咄嗟に剣を構える。
「おい…まて…俺を…殺すというのか?」
「お前達を殺すんだよ」
「なんて目だ…鬼の様だ…」
斬りたくないなぁ…R15的にも斬りたくねぇ…。
「もう死んでしまえ!!」
男1人に強烈な斬撃を加える、途端に血をばら撒きながら、横たわった。
「マジでやりやがった…」
「ひぃぃ…! 鬼だ!逃げろぉぉ…」
「…」
男2人は展望台から降りて行く…。
空が哀しい目をしている。
絶望を見せるかの様に…。
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