私のトモダチ

私のトモダチ 


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 トモダチ♪

  

   トモダチ♪


 私のトモダチ♪


  やっと♪


 やっと♪



 集めてつなげて出来上がり♪


 トモダチ♪

  

   トモダチ♪


 私のトモダチ♪



  もう、いつでも一緒だね♪


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 ぶっ。


  ぶっ。



 _______ぱちっ。



 

 「できた!」



 ふわりドレス。


 レースもプリーツも完璧!


 

 私は、お爺ちゃんの部屋までかけて行って押し入れの戸をあける!



 「ふふふ」


 

 冷たい押し入れに横たわる体。



 腕の肩口も、足の付け根も、首の所もほつれはないキレイに縫えてる。


 それに。



 「すごくきれい」



 ともこちゃん。



 いつも、ギッて睨んでこわくて。


 笑っても、作り物みたいな顔しかできなかったけど今はこんなにキレイになった。



 ほんとは、ともこちゃんの顔をあなたの顔にするつもり何てなかったけど息をするのをやめたらすごくキレイで思わず欲しくなっちゃったの!



 だからこれは、私が選んだ一番きれいな顔。



 トモダチ。


 私のトモダチ。


 あなたはとてもキレイよ……。



 「あ! いけない! 今日は新しいお洋服を作ったの!」



 私は、出来上がったドレスをちょっと下に置いてあなたの体を起こそうと_____ピチャ。


 あ。



 手に赤いのが付く。



 「あ~あ~……また、漏れてきた……」



 毎日毎日、ぬい口やお尻から赤いのが漏れる。



 これは『体液』だって、包帯さんが言っていた。


 

 お風呂場と押し入れ毎日入れ替えて一生懸命冷やしてるのに……少しずつだけど『傷んでいく』。



 胴と腕の時は何とか冷蔵庫に入ったけど、脚をつけた時からもう入らなくてクーラーボックスには頭をつけた時からもう入らない。



 私はバスタオルをいっぱい持ってきてキレイに拭いて、びちゃびちゃになった押し入れもキレイにして、ドレスを着せる。



 ぶちっ。



 「あ」


 

 あ~あ~……腕の糸が切れてお肉がベロンってしちゃった。



 ……お肉がどんどん弱くなる。


 縫い直しても、糸がかからなくなってるな……。


 

 包帯で補強してみようかな?



 「ふぅ」


 やっとお着替えが出来て一安心。


 

 「ふふふ、じゃ、お茶にしましょ! 今日は包帯さんに貰ったいい茶葉があるの!」



 私はドレスに着替えたあなたの脇に手を通して、腕のお肉が千切れない様に注意しながらお爺ちゃんの部屋からそっと引きずって台所に連れてって椅子に座らせる。



 「ふぅ」


 慎重に運ぶのって疲れちゃう。



 ちゃんと座ってるの確認して、私は紅茶を入れる。


 包帯さんに習った通りにポットを温めてお湯を沸かして茶葉が開くのを待つ。



 二人分カップに注いで、クッキーも用意して向かい合って座る。



 「これね、紅茶の茶葉が練り込まれたクッキーなんだよ!」



 齧ると紅茶の香りが鼻をつく。



 「美味しいよ! はい、あ~______」




 カクン。


 ぁ。



 首がカクンってしちゃう……ちゃんと首の骨ボルトでつないだのに甘かったのかな?



 後で包帯さんにドリルを________ずるっ、べちゃ。



 カップにおめめ落ちちゃった。



 う~ん、もうしおしおでべちゃべちゃになってからしかないな。



 カップの中で、目の肉がぷかぷかする。



 「目、取れちゃったね! 大丈夫! 今度、新しのを」



 がちゃん!



 あ。



 頭、取れちゃった。



 「あ、ああ……」



 頭の取れた体は、ずるっと椅子から落ちる。



 べしゃ。



 取れた腕。


 取れた脚。



 白いのドレスは赤くシミが付く。



 「…………」



 私は針と糸を持ってきた。



 くちゅ。


  くちゅ。


 ブチチチチ……。



 ダメ。


 お肉が脆い。



 針で通した糸が、肉を掴んでいられない。



 壊れちゃう。


 折角作ったのに。


 

 トモダチ。


  トモダチ。


 私のトモダチ。


 

 「ねぇ、返事してよ」


 ……。



 「ねぇ、こっちを見て」



 ……。



 「ねぇ、手をつないでよ」


 ……。


 「ねぇ、抱きしめて」


 ……。



 ともこちゃん。


 

 抱きしめてくれたのに。



 私は、椅子から落ちた体を抱きしめた。



 冷たい。



 目を閉じた。



 これでずっと一緒だね。



 背中にそっと手が乗った。

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