Pert.6 侵入! 真夜中の学校

 日曜日、午後十時キッカリに俺は集合場所の通用門の前で待っていた。

 いつも通学には電車を使っているのだが、深夜なので終電がなくなるかも知れないと思って、自宅から小一時間かけて自転車でやってきた。

 それなのに……後の二人がまだ来ていない。

 待つこと十五分、やっと二人がきた。しかも草太の家の自動車で送って貰ってだ。

「遅い!」

 開口一番、ムッとした顔で俺は言った。

「ごめん、ごめん……。草太君ン家でご飯食べさせて貰って、二人でゲームやって、コンビニで買い物してたら遅くなっちゃった」

 珍しく真美が俺に素直に謝った……が、なんかムカつく。

「おまいら、ずいぶん仲がいいんだなぁー」

「あっれぇー、ヒロシったら仲間外れにされてねてる?」

「そんなんじゃない。おまいらが時間を守らないから……」

「もしかして……焼き餅なの?」

「断じて違う!」

 全力で否定する。

「僕と真美ちゃんは仲良しの友だちだよ。ヒロシ君とは大親友だもん」

 草太の微妙なフォローに納得できるような、納得できないような……。まっ、いっかぁー。

 さて、気を取り直して、

「よーし! 今から深夜の学校に潜入するぞぉー」

 勢いよく、通用門の門扉に手を掛けた俺だが、当然、施錠されている。

「おい……。どうやって入るの?」

 その言葉に二人して笑い転げやがった。クソッ!

「あははっ、ちょっと待ってね」

 真美がインターフォンを押した。すると、常駐している警備会社の深夜の管理人が出た。

『こちら管理人室ですが……』

『スミマセン。新聞部の者ですが、今夜、校内で取材しますから中に入れてください』

『はい、話は聴いていますから。どうぞ』

 そう言うと、門扉が自動で開いて俺たち『新聞部』は校内に入っていった。《話は聴いてますから……》って、いつ、そんな話を学校や深夜の管理人に通していたんだ? 俺の知らない所で、この新聞部は活動してるんだなぁー。

 やっぱり俺なんか居なくてもイイじゃんか。ちょっとイジケちゃった俺です。

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