だいだい色と窓の外

 静かな静かな静かな夜に

 幾億の星の降る輝く夜に

 電信柱に励まされながら帰ります


 ああ なんて高い空

 この世の果てまで続いていそうな

 終わりの見えない群青に満ちて


 一つ また 一つ

 誰かが夢の中に遊びに行くよ

 ゆっくりゆっくり沈んでいくね


 みかんの皮を剥きながら

 おいで 恥ずかしがり屋さん

 こっちで一緒にTVでも見ようよ


 カゴの中には沢山のみかん

 甘いのもすっぱいのもゴチャ混ぜで

 まるでこの世界そのものさ


 皮を剥く手は止まらない

 沢山あったカゴの中も淋しくなって

 さてさて どおれ もう一つ…


 窓から冬の精霊を招き入れ

 すうっと心の掃除をするよ

 もうとっくに空っぽのかごの中

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