旅立ち

 魚の群れが空を泳いでいく

 高く澄み切った蒼い風を連れて

 視線は何処までも遠くなる


 いつも道に迷って同じ場所に辿り着けない

 この丘から見下ろす風景も

 昨日見たマッチ箱の街並みも


 あちこち自由がはじけてる

 足の踏み場も無いここは

 多分人の許されない場所


 誰も居ない

 影も見えない

 溜息一つこぼれ…


 この先には何もなく

 きっと当たり前の風景

 そうさ 分かってる


 大声を上げてみたって

 その響きは戻ってこない

 ただ海の上を駆け抜けていく


 ズボンについた小さき種よ

 お前の場所は何処にある

 遥かな先を望んでも

 任された足はふらふらリ

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