サンダル散歩

 せみのうたは目覚まし時計

 やあ今日も早起きさ

 薄い布団は何処へやら


 思い出ばかりが一人歩きするけれど

 それだけじゃないこの季節

 急かされるように見知らぬ扉を開けていく


 今は風鈴も一休み

 車の下でくつろぐネコたち

 ビーチパラソルには誰も居ないよ


 足跡一つない砂浜に

 忘れ去られた錆びた鉄塔

 あの日からずっと眠っているね


 日陰の中で笑ってる

 帽子のあの娘は影法師

 まどろみの中の儚い夢のように

 もう二度と会う事は叶わない


 波の音に心を澄ませていたら

 勢い雲が迫ってた

 一発ドカンと来る前に

 とっとと家に帰りましょ


 冷蔵庫を開けてみた

 スイカがスヤスヤ眠ってた

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