探しモノ

 調子の外れたオルゴールのうたを聴きながら

 窓の外の月をまどろみと一緒に眺めていたら

 そこには知らない顔した夜の子供たち

 子供たちはうたいます

 

 靴下方一方なくしたよ

 この夜のどこかで落としたよ

 群青色の靴下さ

 多分風きつねが引っ掛けていったんだ


 その顔は泣いた風でなく

 勿論笑った風でなく

 なぞるように光る雲を眺めてた


 家々の灯りが沈む頃

 また一段とぼうっと浮かんでく

 吸い込まれそうなその瞳

 風がふらっと遊びに来て

 

 あ


 いつの間にかただ淋しいだけの風景

 ぜんまいの途切れた音

 そら 月が傘をさしている


 何処かに行った夜の子供たち

 きっとさっきの風を追いかけて行ったんだ


 ロウソクの炎が消えるその前に

 またいつでも遊びにおいで

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