通過儀礼
見上げる雲は段々夏のそれに変わっていく
色を濃くした雲に境界線をなくしていく景色
波音に別の意味を付け加えて
そして突然に風は止む
雲たちは寄り添ってお日様を隠し
影がいつの間にかいなくなっていた
もう一面灰色の支配下だ
どんどん空が落ちてくる
流れる汗が頬を伝って地面に跳ねる時
かえるのうたがきこえてくるよ…
一斉に落ちてくる天の恵み
田んぼに波紋が広がっていく
早苗が嬉しそうに踊ってる
少しくらい濡れても平気だけど
内側から滲んでくるカッパが鬱陶しくて
ああ、でもこの雨は止みそうにない
いつも水不足なんて脅すから
今年はたっぷり注いで欲しいけど
闇夜に歌う彼らほどには喜べないよ
水溜りを弾く音が耳に気持ちいい
家にいる内はいくら降っても歓迎するさ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます