初夏の気まぐれ
無邪気な風が雲と戯れて それをじっと見ているヒゲのあの娘
じっとずっと眺めているよ 時間を忘れて座っているよ
邪魔しちゃ悪いよね そっとしておかなくちゃね
峠を駆け抜けるとツバメ達がお出迎え
おおっと、恋多き彼らに僕の声は届かないや
新しい時代を繋ぐドキドキの旅はまだ始まったばかり
もうスッカリ緑の中で初めての道を探しに行こふ
碧の風に導かれて それは懐かしい童話のように
ただ好奇心に満たされて まだ見た事のない景色を求めて
開けてくる視界 聞き覚えのある音 感じる開放感
そこはかつて記憶の底で干からびていた思ひ出の残り香
空と海が溶け合った青い青い世界が広がっていた
そう、確かここにみんなで来てた
お弁当食べたり遊んだり
あの頃と違うのは多分季節だけ
もうあれから随分と経った筈なのに
まるでそこだけ切り取られたかのようにここはあの頃のまんまで
不思議な感覚にちょっと惑わされてしまいそう
暑くなったらここも賑やかな声が響くだろ
幼い頃の僕がきっとまた遊んでる
帰り道、ヒゲのあの娘はもういなかった
無機質な風景だけが続いてる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます