散歩の途中で

 天気予報が春を告げている

 ぼおっとしている内にまた春が来る

 出会いと別れを繰り返したのはいつの頃


 今はただ風景だけが季節を知る手がかりで

 鳥の声に目覚めの息吹を感じるよ

 随分と柔らかくなった風にじゃれつかれながら


 春と冬を繰り返す気ままな天気も

 もうそろそろ落ち着く頃さ

 やっと重いヨロイの出番も終わるね


 こんな日は優しいうたでも聴きながら

 ただ何となく外を見ていたい

 ほうら、あの角で猫が上品そうに歩いていく


 雲の名前はよく知らないけれど

 何て言うの?ほわほわと気持ちよさそうで

 いつもあんな風な心でいたいな


 海では釣り人が何かを釣っている

 日がな一日ずっと同じ場所で

 きっとあの人も春を楽しんでいるんだな


 ふとすれ違った野良犬の

 しっぽがぴいんと立っていた


 絵葉書のような灯台の景色

 思わずシャッターを押して閉じ込めてみる

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