私に勇気をくれた人 ④

2人で少し歩いたころ、私は小さい頃の夢を見る事を話した。


男の子がいつも私を助けてくれた事、男の子は私のヒーローだったこと、私は男の子が大好きだったこと


そして、男の子は約束を残して転校してしまった事。


ジェイソンをみれば、何故かびっくりした顔をしていて。


「ジェイソン?」


私が声をかければ、ジェイソンは慌てていつものふにゃっとした優しい笑顔を私に向けた。


…ジェイソンは、何かを知ってる?


そんな考えが頭を巡っていたら、ふいにジェイソンが私に声をかけた。


「…僕、似たお話を知ってるよ」


それだけを話すと、いつもの笑顔で今日ワイルドキャッツであった話をし始めた。


…ジェイソンの言葉は気になったけど、聞く勇気が無くて。


それにワイルドキャッツの話も面白かったから、つい流されてしまって。


楽しく話しながら、ジェイソンは私の家まで送ってくれた。


「送ってくれてありがとうね」


私はジェイソンにハグをした。


「女の子1人は危険だから…」


ジェイソンは私にハグを返しながら、照れ臭そうにはにかんだ。


「それじゃ…また明日、ケルシー」


「うん…また明日ね、ジェイソン」


お互いに手を振り合って、その日は別れた。

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