四度目、五度目のお馬鹿

行きはよいよい、帰りは迷宮。スリルでショックでサスペンス。


四度目の通院も前回同様、帰り道を間違えた。同じ間違え方である。しかし少し早めに気がついたので前進。よしよし。四回目ともなればさすがにちょっとはマシになる。


しかし、次なる敵、健康診断が私を待ち構えていた。


本来、同僚と二人で行くはずだった。

しかし同僚はその日から有給を取って旅行に行くことになっていて、私一人で行くことになってしまった。同僚からはしこたま心配された。そりゃそうだ。あれだけの方向音痴っぷりを発揮して、心配しない方が珍しい。


健康診断は会社から徒歩15分くらいの場所で行われた。一度行ったことはあるがしかし前回も迷った。しかも近道をしようとして迷ったので、大体の方向以外何も覚えていなかった。


ちなみに言い訳をしておくと、近道は上司に教わったものだし、同僚と一緒だった。方向音痴のくせに調子に乗ったわけではない。


自力で辿り着ける自信は皆無に等しかった。

そこで、いつぞやの機会に散々けなした、スマホのアプリに頼ることにした。

機種変更したのだしマシになっているだろうと、住所を入力。ルートが表示される。上司が教えてくれた近道は表示されない。道として認識されていないのか。それは通っていいものなのだろうか。ごにょごにょ。


アプリのナビゲートはわりかしスムーズで、思いの外すんなりと着いてしまった。しかしこれは方角があらかたわかっていたからであって、本当に未知の場所に行ってしまったら辿り着けないのでは、という不安は拭えない。


そんな不安があったくせに、そつなく来れたんだから大丈夫でしょ、と思って帰りは調子に乗った。

アプリを使わなかった。


気がついたら、知らない通りにいた。


※ちゃんと帰れました

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