第14話破壊神の降臨2


「くっそ、何の努力もしてねぇのにこの力……どれだけ人をバカにすりゃ気が済むんだてめぇわ」

壁にハマりながらよくわかんないことを言ってくるクルシス。

「別にバカにしてるつもりこれっぽっちもないけど、来い“エクス”“イージス”」

王城の中から宙に浮かぶ俺の手の中に納まる二つ。

(あんた何してたのよ?心配はしてなかったけど動けなくて大変だったのよ?)

「エクス、冗談でも心配してたとか言った方が好感度高めだから覚えといて損はない、それと俺が傷つくからやめろ」

(君たちはホントに自由だな)


「さてと、この白髪のハーフエルフどうするか。ほっといてまたなんかされるのも困るんだよな」

「何かされるのをそのまま抵抗せずにされるがままになっていただけると助かるのですが」

!?いつの間に!?

明るい茶髪のロン毛の女が俺とクルシスの間に浮いていた。俺はあわてて距離を取る。


「うっわ!?マジでビビったわ!?どっから湧いてきたこいつ!?」

俺は距離を取ってもびびりまくっていた。クルシスをずっと見ていた筈なのにその間に、最初からそこにいたかのように現れたのだから。

「貴方はもう、神器化を果たしている訳ですけど?それを踏まえてクルシスよりも強いこの私を相手にできますか?」

なるほど、こいつはクルシスの仲間。クルシスが殺られそうになったから助けに来たのか。んで、ここは王城。俺の目的が破壊ならとっくにやっていたはず。つまり、俺の目的が国の乗っ取りだとわかっていてこの発言に至っている訳だ。

「いや、お前らが退かないで俺に向かってきたら躊躇なくこの刀振って国ごとお前ら斬るけど」

「え?今なんて?」

「だからお前らがやる気なら俺はお前らをきるっつってんだよ!」

そんで有利にでもなった気なら間違いだぜ?俺は自分が不利な状況になればいつでも国を滅ぼす。

「ま、待ちなさい!!あんたが武器を振れば国が滅びるのよ!?貴方の目的は国を乗っ取ることでしょ!?」

「お嬢さんは頭がお堅いみたいですね?目的が達成できずに死ぬより目的達成できず生きる方を選ぶよな?しかも国なんてナンバニア以外にも何個もあるんだよ!目的そっちにずらせば良いだけだ!」

「え?でも!でも!」

「はーい。うるさいでーす。3秒以内に俺の目の前から消え失せないと、この世界から国ごとログアウトさせまーす!はい、いーち、」

「ちょっ!まっ」

「にー、さー」

クルシスと女は目の前から消え失せた。


「んじゃ、邪魔者は消えた所でやりますか。破壊神の降臨だ」

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