第11話破壊狂と謎の男2


どうして俺は王都の外にいる……しかもこいつは誰だ?いったい今何が起きた!?

「よう破壊狂、俺の蹴りで形を保ってられるとか破壊力だけじゃなくて意外と頑丈みてぇだな」

蹴り?まさか……。俺はこいつに蹴り飛ばされてこんな遠くまで吹き飛ばされたってのかよ……。

まぁ大丈夫だ、ここは王都の外。エクスを軽く振ればそれで終わる。

「エクスカリバー!!」

…………。え、なんで来ないの?

「バカかてめぇ?使用者と武器が離れ過ぎなんだよ、言っただろうがタイマンだって」

これはまずい、非常にマズイ。

俺にだってわかるぞ、こいつ今までのやつと格が違う。というか比べるのもおこがましい位だ。魔力が段違いに高い。

「いや、俺武器がないので戦う気ありません。でわこれで失礼します」

「あ?ふざけてんのか?みすみす逃がすとでも思ってんのか?」

ですよねぇ……。いや、待てよ。何をびびってるんだ俺は!俺よりレベルが高いやつ人間で存在するはずかないだろ。

「“ボルケーノ”」

俺は白髪黒づくめの男に炎を纏った竜巻をお見舞いした────



「やられたな完全に」

一方王都、王城内でエクスとイージスは兵士に囲まれていた。

「動かないでくださいよ?あなた方は守るべき国宝“聖剣エクスカリバー”と“イージスの盾”なのですから、おとなしくしててください」

兵士が二つをなだめ聞かせていた。

「これでは主人を守る事が出来ないではないか、盾としてなんたる屈辱だ!貴様らそこをどけ!」

「いいえ、できません!あなた方のような国宝を破壊狂などに渡す訳にはいかないのです!」

イージスが何を言おうと、兵士がその場をどく仕草すら見せない。エクスはうつむいてただ何も言わない。

「エクスカリバー!君もなんとか言ったらどうなんだ?君は少年と契約をかわした月日も長い!彼が危険に陥っても構わないと言うのか!?」

「逆に聞くけど、何を焦ってるの?私が誰だかわかって言ってるの?」

エクスはうるさいと言うようにイージスをあしらう。

「わかっている!聖剣エクスカリバーだ!だが彼は……ただの人間だぞ!」

するとエクスは溜め息をついてやれやれといった表情を見せる。

「あんた、自分自身も誰だか忘れてるんじゃない?ホントにバカね、もう一回封印されることをお勧めするわ」


そう、離れてても私は貴方を守る。勝利に導いて見せる。



──────え?なんでだよ?

「おい、武器がなけりゃそんなもんかよ破壊狂?」

俺の真後ろで肩を掴んでくる白髪の男。俺の魔法を避けて背後に回ったのだ。速すぎる。

「拍子抜けだわ、やっぱてめぇ死んでいいわ」

物凄い爆風とともに蹴り飛ばされる俺、動体視力が全く追い付かないほどのスピードで飛ばされていく。

風との摩擦などで体が暑い。もう体の殆んどの骨が折れているのが自分でわかった。

そしてようやく地面に叩きつけられる。もはやどれ程吹き飛ばされたのかわからないほどの距離を飛ばされたと思う。


「てめぇが始めた場所で全部終わらせてやるよ破壊狂」

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