第10話 破壊狂と謎の男
このポンコツやってくれたよ。イージスはこれで破壊狂グループへ、めでたく仲間入りを果たした。
「おい、イージスよかったじゃねぇか。お前の必殺パンチで王都半壊させて大量殺人したおかげでレベルが上がったぞ」
「やめろおお!!やめてくれぇええ!!」
「あんたあんまり苛めないの、やっちゃったんだしもう仕方ないでしょ?」
なれてしまっては、いけない物になれてしまった俺とエクスは平然とその場に立っていた。
「この状況を起こしたのは貴様か!!」
なんだか騎士たちが俺たちを囲むように群がってくる。
「違う」
「嘘をつくな!!魔力痕を見れば一発でわかるぞ!!」
「わかってんなら聞くなよ、“魔力変化”」
俺は元の自分の魔力に戻した。
「貴様!?まさか破壊狂タクマ!!」
「はいはい、皆様死にたくなければ退いてください。破壊狂の登場でーす」
俺がそういうと騎士たちは、一瞬怯むがまた武器を構えて威嚇してくる。
「そ、そう言われて引くバカがいるか!!」
「そっか、でも俺はあんまり無駄な殺しは好まないから逃げることにさせてもらうわ」
「そう簡単に逃すか!!」
「“フライ”」
俺が魔法を唱えると俺は空中に浮いた。それを見計らい、エクスとイージスは武器化して俺の手に納まる。
「まさか!?エクスカリバーにイージスの盾だと!?」
そんな言葉も聞かずに俺はその場を飛び去った。
(あんたなにやってんの?逃げるなら逆でしょ!?)
(バカか君は!!そっちは王城だぞ!!)
「知ってる」
俺は適当な窓を突き破り王城に侵入を成し遂げる。
「あんたホントに死にたがりなの?もう頭が死んでるの?」
「君というやつは!!自殺願望でもあるのか!?」
「ひでぇ言われようだな……」
まぁそう言われるのも仕方ない。俺たちは既に騎士たちに包囲されていた。
「お前ら絶対に手を出すなよ?お前らがやると国が滅びる」
すると二人は窓側へと一歩後ろに下がる。騎士たちは俺に一歩近づく。
「貴様一人でこの人数を相手にすると?」
ざっとみて30人ほどか、国の破壊が目的ならまだしもそうでない今の状況ではイージスもエクスも使い物にならない。流石に死にそうに成ったらなりふり構わず使うが……。
「まぁなんとかなる気がする。“全能力強化オールスキルリミットブレイク”」
俺は、何だか名前がカッコいいだけで覚えたこのスキルを使い、戦うことにした。なんでもこのスキルは、全てのステータスが一時的に上昇するらしい。
「いくぜ!!」
俺は騎士に殴りかかった。
王城の1割が破壊された。
「え!!すげぇ!!城も国も壊れてねぇぞ!!超弱くなってる俺!!やばくね!?お前らもそう思うだろ??」
「あんたの感覚大分鈍ってるわよ」
「君はどれだけの物を破壊してきたらそうなるんだ」
二人は完全に呆れ返っていた。そんなにおかしなことを言っただろうか……。
「見つけたぞ破壊狂」
え───────────
腹部に物凄い痛みを感じた。しかも目の前に広がる空。あれ?俺は寝ているのか?
俺は自分が地面に寝転がっていることに気付いて起き上がる。前を見ると半壊された王都が目の前に広がっていた。
「え?俺は王城にいたはずじゃ……」
「おい破壊狂、俺とタイマンしろよ」
後ろを振り返るとそこには見知らぬ男が立っていた。
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