第3話纏衣の威力



ということで森のなかをひたすら歩いている。そういえば。

「浮遊魔力なんちゃらって俺にも見えるのか?」

「ええ、魔力を読み取るって考えるだけでできるはずよ?」

なるほど、魔力を読み取るか……。

「お!みえるみえる……。ん?」

なんだ目の前金ピカだぞ……。まさか。

「これ全部お前の魔力じゃないか?しかもめっちゃ広範囲に広がってるな、半径50メートルくらい」

するとエクスカリバーは、こちらから目をそらした。

「お前魔力消したりできないのか? 」

「これが限界」

おまえ置いてくぞほんとに。要するにこいつのせいで見つかる確率が高くなっている。不味いな。


「他にはなんか、誰にでもできるやつないのか?」

「できてもそのくらいよ、まぁアンタは私という聖剣がいるから“纏衣(まとい)”が使えるけどそれはまだ難しいかしら。武器と心を1つにしないとできないから」

心を1つに?要するに俺が腹へったとか考えてるときにお前も腹減ってたらその纒衣が使えるってことか?

「なぁこんな逃避行みたいなの嫌じゃね?」

「嫌に決まってるでしょ!?」

すると俺とエクスカリバーは光に包まれる。

「え、まさか!?」

「お!できてんじゃん!?俺天才!!」

俺はエクスカリバーを手に金色の鎧を身につけていた。

「これが纒衣か!」

「認めるわ、アンタは天才よ」


すると目の前に大きな黒い影が現れた。

「うわっ!?なにこのオオカミ!?」

「気をつけて!!マウンテンドックよ!!攻撃が当たったら即死よ!!」

オオカミが前足で俺を踏みつけてきた。

「ちょ!あんた!避けなさいよ!!」

「いやごめん、なんか受け止められる気がした」

俺は前足を腕一本で受け止めた。

「おまえを振ると世界が消しとんじまうからな、俺の素手で!!」

俺は、オオカミの前足を振り払う。



その日、俺たちが歩いていた森は消滅した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る