壱章
何度も何度も繰り返し、巡るこの気持ち。
あの日の私は空っぽになった。
小4の春、『行ってきます』の言葉で母は姿を消した。
逢いたかった。心の底から逢いたかった。
その頃から学校は休みが増えていった。
大好きなお母さん、行方知れずになって1年という月日が流れた。
無言の時が流れ去っていった。
時間とは無情なもので、母の安否も分からないまま猛スピードで過ぎ去って行った。
小5の夏、突然現れた母。嬉しかった半面、戸惑いも隠せなかった。
久々に逢えた母は、私の目に格段と綺麗に写った。
私は母と1年間の月日を埋める様に必死に着いて行った。
そして、祈る。もう二度と突然の別れが訪れぬ様に。
母と再会して、間もなく父と母は夫婦をやめた。
どうしても私は父と母の子供をやめることが出来なかった。
父と母は別々の道を歩み始めたのちも度々逢うことがあった。
その度に、嬉しくて楽しくて仕方なかった。
そして私は、母の女を知る。
自分の気持ちなど無いように、身体を預ける。
見ず知らずの男性と繋がる。
私はそんな母と男性を見て見ぬ振りしてはその場を我慢した。
その中の一人の人に私は気を許してしまう。
そして傷付き、女を知る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます