弐章
母が夜の街へ仕事に行くと、君は逢いに来た。
『一人で寂しくない?』と君からの連絡に
私は『慣れっ子です』と素っ気なく返した。
なのにしばらくすると君が家のチャイムを鳴らす。
びっくりしたけれど、何より嬉しかった。
それから他愛もない会話で時間を流す。
母が帰宅して、私の居場所がなくなった。
君は私に手を触れることさえしなかった。
母とは仲良しなのに。小さい私の嫉妬だった。
その時、既に心が揺れていた。君に心奪われていた。
君と一つになる。
確信する気持ち。スキの二文字が頭をよぎる。
君と唇を合わせると心が苦しくなる。私の特別な存在になってほしかった。
叶わない恋の始まり。夜が明けると消えて無くなる。
不定期の君からの連絡、君に逢える夜が待ち遠しくなった。
恋人でもない君との行為は私を変えていった。
母の都合で引越しが決まった。君と逢うことはなくなった。
好きだった君との突然のお別れに私の心は残酷になる。
好きでもない人との行為が平気になった。
そして自分の身体を安売りするようになった。
対価のない行為もあったし、それでもかまわない自分が怖かった。
決して裕福ではない生活にも追い打ちをかけられた。
行為を生活の糧にする、そんな日常に変わっていた。
私が中学生の時、案の定アパートを追い出され母の彼氏の所に居候することに。
そんな中、母の彼氏に『娘ちゃんの面倒まではみれないよ』と言われ
同棲はしてたものの自分がお荷物になっていることに気付く。
そして母は、大好きな彼氏とのお別れを決意した。
その時、母と私を拾ってくれたのが今の義父、そして悪夢の始まり。私の終わり。
最も私の考え方が幼かった。
飲酒、喫煙、深夜徘徊、不登校、世の中のルールは全て無視した。
そんな生活から更生させてくれた義父。今の私があるのは義父のおかげ。
反面、私のセカンドファミリーの崩壊要因。
雨のち飴 毒ぷぅどる @lch0128
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