第9話真田幸村の顔

幸村は秀次に仕えていた。


後に秀次の子と結婚するのであるが。。


策士として知られる幸村は秀次をどうすれば

関白から太閤に、秀吉が死んだ後できるかを

考えていた。


そこへである。

茶々に子が産まれた。

夭逝したが秀頼が産まれ茶々が秀次の廃嫡を

願い出ているらしい。


幸村は考えた。

廃嫡を受けねば秀次様は殺されるであろう。

またこうも考えていた。

本当に殿下の子か。。


廃嫡か秀頼をはめるか、

策謀好きの真田は後者を選んだ。


秀頼様が殿下の子ではない。

茶々の乳母の子で昔から茶々の側周りを務める

大野修理治長の子である。と。

目鼻立が殿下に似つかわぬ。


猿飛佐助に流言させた。

忍者の流言は一ヶ月あれば京都一円に広まった。

秀吉を始め、北政所、茶々、家康、秀次、

諸大名。

なかでも噂好きの女衆には効果覿面であった。

北政所は秀頼の顔を見て以来疑っていたので

確信に変わった。


幸村の顔はほくそ笑んだ。

これで今秀吉が死ねば関白秀次は

秀頼に関白を譲っても太閤として

君臨できる。

秀次には男子があった為秀頼の次も狙える。


策士策に溺れる。

関ヶ原で秀忠と戦い勝ったが

三成敗れ家康が勝ち九度山に流されたように。

この時も見誤った。

秀次に切腹の命が下った。

廃嫡の策が負けて勝つ長期的にみれば最善の策であったのに。

前後裁断、今のみをみれば滅びる場合が多い。


こうして幸村の策は初めての失敗を迎えた。

その贖罪として殺されそうであった秀次の子を

娶って助けた。

お市、ガラシャ、茶々、滅びの女性達と同じである。

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秀頼の顔 kingsglaive @bmw0091

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