第14話 仕事を探してみよう

 一応これで就労証明書というのが出来上がる形となり、その斡旋している仕事に関して掲示されている内容とやらを眺めに向かっては確認してみるものの、その内容といえば、資材の荷運び、郵便物の配送、公園の清掃、公共施設の清掃、外壁の補修、道路の補修工事、河川工事、販売店員の募集、接客募集、エトセトラ、etc...

 何というか、生身の身体で生活していた世界でいうところの"バイト"とでもいうべき仕事を、そのままを現したかの様なそんな内容ばかりの募集が掲示されていた。



 なんといか、こういうファンタジーっぽい世界によくある、薬草の採取とか、ゴブリンとかの魔物退治とか、懸賞金の盗賊退治とか、そういう類があるのか?と、少しは期待してみたのだが、それらがまったくもってありそうにない。なんというか完全に人夫募集が多いというか。



 その一つを例にあげれば……



【鉱山夫募集】

 寝食付き!経験不問!未経験者歓迎!実力成果主義!家庭的な職場です!



 と記載されている始末。

 というかこれ、絶対ブラックだろう?いや、ブラック以上のブラックだ。もうなんだ?ダークマターとでもいうレベルで自身の危険センサーが「危険!」と反応してしまうぐらいの危ない語呂がバシバシと記載されている。

 家庭的な職場なんて、そんなのは絶対ない。よくあるのは、親族で経営しています的な要素だろうに、それなのに鉱山夫という、ヘビー級の労働内容が想定できる場所が丸わかりという、寝食付きなんて現場近くの雑魚寝部屋に軟禁される恰好だろうと妄想がはかどるレベルである。


 まぁ、ある種こういうハードな作業に機械ロボというのは"有り"だろう、なにせ重機という立ち位置を不動の物になる。それに元は作業用から始まって~というのがセオリーな仕様というのもアリとは覆うのだが、いかんせんあの募集文句では、メンタル的な不安要素が往々にして発生するだろうという想定しか思い浮かばない。


 偶然なのか必然なのか、他にも賃金的に高い物はブルーカラー系の募集であり、そのほとんどは似たり寄ったりの文面になっているというか、世界が変わろうともこうも似たような内容になるという事に、別の意味での興味が出てくるが……今はそういうのはおいておいて、危険な香りを醸し出している文面があるのは敬遠しておくに限る。


 それからさらに各種いろいろと何かなかろうかと探してみたのだが、金額的に高そうな物はあからさまに"怪しい"という物ばかりで、もう世の中は真っ黒しかないんでしょうか‥‥世知辛いな‥‥と、眺めていくしかない状況だった。



 そうなってくると賃金的にワンランク下の募集を選択するしかないともいえ、その中から怪しい文面が無いモノを見ていってはいるのだが、それがもう賃金的には横ばいとでも言うぐらいの物ばかりで、内容に関してもどれが良いかすらわからない代物ばかりである。



 うーん、と悩みながら一通り軽く見て回ったが、コレといった物が見当たらず、再び最初の方からと見ていくかと、隅の方から丁寧に見ていくかと手にかけた矢先、そこに新しい依頼表が重なる様に下に隠される様に存在する代物があった。


 何だ?という疑問が、その依頼票に興味を惹かれる形になり、それを手に取ってみてみると



【港湾工事募集】

 賄い付き。危険作業には手当て保証。1日8時間とする。

 潜水作業できるものはさらに上乗せ有り。



 賃金は先ほどのブラック並みなのだが、危険極まりない語呂が並んでいる物よりも、多少なりとも好感が持てる内容であり、そして最後の行に記載されている"潜水作業できるものはさらに上乗せ有り"ときている。



 ふむ、今の2ndキャラって、潜水仕様だし、これは上乗せで稼ぐチャンスか?


 そう思ったら吉日。

 直感にしたがう恰好でとりあえずはコレだなとさっそくその票を手に持ち、受付にて受理をとりにいった。「本当に大丈夫なのですか?」と念には念をおされたが、素潜りでも3分以上は余裕だ(というか呼吸する必要はないし、活動エネルギーがあるならば1日以上余裕な身体だし)と自身ありげに伝え、ようやく納得してもらい手続きが完了し、早速とばかりにその工事事務所がある場所へと向かった。






 目的地がわからずに聞きに戻ったのは、ご愛敬




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