第10話 泊まれたがどうしよう
部屋として準備された馬房には干し草ベッドが作られてあった。しかもそのサイズは自身が横になっても十分すぎるほどのスペースを確保してである。
「ちょぉ~と大変でしたよ」と"エッヘン"とでもいう効果音が聞こえてきそうな態度で答えるのは、宿を案内してくれた少女である。えーっと、確か名前は…名前は……まぁいい、宿の少女でいいだろう。
ついでに食事の説明をうけたが、朝だけは標準でついており、昼・夕食は予約制との事であった。
現状、活動用エネルギーはとりあえず賄えているので、夕食は辞退する形としている。なにせ、食事に対する対策を練る必要があるわけで。
ただ、他の馬房に動物がいなかったことが悔やまれるが、馬で来る人もいるとの事で、この宿のアピールポイントとしているというものでもあったため、これから入ってくる場合もあるとのことだった。
さてはて、準備された部屋に入り簡易扉を閉めた後、その設置された寝具へと腰かけてみると確かにふわふわとした感触である。これなら、バックパックのジョイント部が痛むこともないだろう。
まずは、明日から本格的な仕事を始めるのだから、
まずは火器兵装として、突撃銃があるだろ、狙撃銃があるだろ、
ランチャー系も単発連発もそろってはあるし、惑星間弾道
そういえば、重火器を使用し続けての
ただ、そう言っていた
とりあえず、試しに突撃銃を取り出してみると、普通に取り出せれたというか、目の前にいきなり現れる的な恰好で登場する。うーん、ここらはゲームと同等といったところだろうか。
実際にふれてみると、金属だなという感覚であり、装弾されている状態はどうなっているのかと、その表示部を確認してみれば、弾薬エネルギー残量が心もとないときていた。
となると、これはノーマルよりもカスタム銃の方が良いかもしれない。
ノーマルタイプを格納という意識をすると手元から消えてしまい、次にカスタム銃を意識すると、先ほどの様に取り出すことに成功する。見た目といえば直線的なフォルムで、余分な部品的な凹凸が少なく、ベースを白色で統一されており、ある意味白磁品的な芸術要素がみえそうな代物である。
カスタム系武器群は、各人がその性能を変更できるという特徴を持たせた武器群であり、よくある武器強化品の一環として追加パッチで増えた物である。
そのカスタム内容によっては、出力ともいえる火力を特化型にして一撃必殺型にする事もできるが、自分がいま取り出したカスタムした例は、弾薬の消費エネルギーを抑えるというカスタマイズを施した物である。
弾薬の消費エネルギーを抑えたこの武器は、その特徴の反面として火力がカスタム前と同じという事で、火力特化型と比べれば大きく見劣りするという欠点を持つ。
他にも射程に関しても標準型よりもやや短くなってしまっているが、その点に関してはロングレンジ用のオプションパーツでカバーする事が可能な為、弾薬エネルギー加速部となる
だが、ゲーム内では基本的に銃器を選ぶ人は少ない。
なぜって?それは、弾補給に費用が毎回かかってしまうからだ。
その他の打撃系武器はそんな補給がほぼ不要のため、一点特化というカスタムが施しやすい。また、魔法系を媒体とする代物も同等な出力型のカスタムが人気であった。
いうなれば、火力があればあるほど敵を倒す時間が短くなり、受けるダメージが少なくて済むという理論で、みながみなそっち方面に突き進んだ結果ともいう。
さて、先ほど弾薬の費用というのもバカにならないと言っていたが、機械生命体に関してはその点を補える方法がある。
それは、弾補充として、この機械生命体の身体からチューブ接続によってエネルギーを受け渡し作業で供給する事が可能であり、本体の活動エネルギーを銃器の弾薬エネルギーへと変換する事が可能な点である。
その効率は弾薬エネルギーパックを購入するよりもコスト面において有利になる価格にもなっていた。
これは機械生命体における特権かもしれない供給方法である。他の
うむ、やはり武器とチューブ接続とか、これだけの内容で御飯三杯はイケるな。
とりあえずの武器はこれで良いとして、仮札は…キャラ専用
あとは、時間がたつのを待つだけなのだが。
普通ならログアウトで良いのだが、そんな項目を一切見かけない。代わりにスリープモードというものがある。
というか、ログアウトがあったとして実行し、これが夢でしたという夢おちは勘弁願いたいものである。
仰向けになり、夢でないことを祈りながもスリープモードを起動させると、意識が徐々に遠退いていった。
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